問242-243
7月某日、小学校で学校薬剤師が屋外プールの定期水質検査を行うことになった。
プールは上から見て図に示すような長方形で縦25m×横15mの大きさである。
プール端の水深は約0.9m、中央に向かって徐々に深くなり、中央部の水深は約1.2mである。
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採水は図中の3点(A、B、C)、水面下20cmで、プール使用開始前に実施した。
一部の検査は外部の検査機関に依頼した。
今回の定期水質検査の結果は下表のとおりであった。
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問242(実務)
今回の定期水質検査の結果に基づく学校薬剤師の説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.pHは基準を満たしています。
2.遊離残留塩素は基準を満たしていないので、塩素消毒を強化する必要があります。
3.表の検査項目に加え、総トリハロメタンにも基準が定められています。
4.過マンガン酸カリウム消費量は、主に有機物による汚染の指標として用いられています。
5.一般細菌が検出されたので、プールの使用を中止してください。
問242の解説
1.「〇」水質検査結果よりpHは、A:7.4・B:7.3・C:7.2とあるので、基準を満たしています。
(pH値は、5.8以上8.6以下)
2.「〇」水質検査結果より遊離残留塩素は、A:0.3・B:0.3・C:0.2とあるので、基準を満たしていないため、塩素消毒を強化する必要があります。
(遊離残留塩素は、0.4mg/L以上。また、1.0mg/L以下であることが望ましい)
3.「〇」トリハロメタンは、発がん物質で、プール中の有機物と塩素が反応して生成されるため、基準を定めています。総トリハロメタンの値が高い場合は、水を補給します。
4.「〇」過マンガン酸カリウム消費量は、有機物による汚染の程度を示す指標です。
5.「×」水質検査結果より一般細菌は、A:90・B:80・C:85とあるので、基準を満たしています。
(一般細菌は、検出されても、1mL中に200コロニー以下ならOK。ただし、大腸菌は検出されたらダメです。)
問242の解答:5
問243(衛生)
定期水質検査で検査した項目のうち、学校薬剤師がプール水を採水後直ちに現場で測定しなければならないのはどれか。1つ選べ。
1.遊離残留塩素
2.濁度
3.一般細菌
4.過マンガン酸カリウム消費量
5.大腸菌
1.「〇」遊離残留塩素検査は、プール水を採水後、直ちに現場で測定します。
理由としては、残留塩素は、紫外線や汚れなどによって、減ってしまうので現場で直ちに測定します。
2.「×」
3.「×」
4.「×」
5.「×」