問238-239
20歳男性。路上で意味不明なことを叫びながら暴れており、近隣住民が警察に通報した。
警察官到着時、ろれつが回らず、痙れんを起こしたため救急要請した。
救急隊到着時、頻脈と発汗を認め、興奮状態であった。救急病院に搬送され、この患者の尿を分析したところ覚醒剤及びその代謝物が検出された。
(来院時の状態)
血圧149/90mmHg、心拍170拍/分、呼吸数60回/分、体温38.8℃、散瞳(左右6.0mm)で対光反射は正常。
発汗が著明、痙れんは消失、振戦あり。
四肢の静脈に多数の注射痕あり。
問239(実務)
この患者の興奮状態を抑えるために使用される適切な薬剤はどれか。1つ選べ。
1.プロクロルペラジンメシル酸塩注
2.ジアゼパム注
3.フェニトインナトリウム注
4.ロクロニウム臭化物注
5.フルマゼニル注
問239の解説
設問より、覚醒剤による興奮を抑える薬剤を選択します。
1.「×」プロクロルペラジン(ノバミンⓇ):精神神経用薬(抗ドパミン・抗ノルアドレナリン・抗セロトニン)
術前・術後等の悪心・嘔吐に用います。
2.「〇」ジアゼパム(セルシンⓇ):マイナートランキライザー
不安・緊張・抑うつ・興奮・てんかん様重積状態におけるけいれん抑制に用います。
3.「×」フェニトイン(アレビアチンⓇ):抗けいれん薬
てんかん様けいれん発作に用います。
4.「×」ロクロニウム(エスラックスⓇ):非脱分極性麻酔用筋弛緩薬
麻酔時の筋弛緩・気管挿管時の筋弛緩に用います。
5.「×」フルマゼニル(アネキセートⓇ):ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬
ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除・呼吸抑制の改善に用います。
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