問193(病態)
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述として、正しいのはどれか。
2つ選べ。
1.移植後1週間以内に好発する。
2.予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。
3.自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。
4.ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。
5.発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
問193の解説
1.「×」急性GVHDは、移植後7日~1カ月以内に起こり、慢性GVHDは、移植後3カ月以降に起こります。
2.「〇」GVHDの予防として、移植前日から免疫抑制薬(シクロスポリン・タクロリムス)を投与します。
3.「×」自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが高い。
4.「〇」GVHDは、ドナー(提供者)由来のリンパ球が、レシピエント(患者)の正常細胞を異物として認識し、攻撃して起こる疾患です。
5.「×」造血幹細胞移植時に、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行ってしまうと、造血幹細胞が死んでしまうため行いません。
しかし、輸血では、輸血する血液に放射線照射を行います。理由としては、輸血する血液に含まれる供血者のリンパ球が、輸血される患者の組織を攻撃してしまうためです。
問193の解答:2と4
2023.12.6時点の記事