問340(実務)
74歳女性。友人と一緒に地域の健康フェアに参加した際に、お薬相談コーナーを訪れた。
女性の話によると、過去10年以上治療してきており、今の5剤になったのは半年前である。
最近、足のむくみと体重増加が気になっているとのことであった。
薬剤師は、女性が持参したお薬手帳より、以下の薬剤を服用中であることを確認している。
(お薬手帳の内容)
アジルサルタン錠20mg 1回1錠(1日1錠)
ピオグリタゾン塩酸塩錠30mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分
ペマフィブラート錠0.1mg 1回1錠(1日2錠)
硝酸イソソルビド徐放錠20mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分
ブロチゾラム口腔内崩壊錠0.25mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前 14日分
この女性が、気になっている身体所見及び症状について、薬剤性と疑う場合、最も強く疑われるのはどれか。1つ選べ。
1.アジルサルタン錠
2.ピオグリタゾン塩酸塩錠
3.ペマフィブラート錠
4.硝酸イソソルビド徐放錠
5.ブロチゾラム口腔内崩壊錠
問340の解説
1.「×」アジルサルタン(アジルバⓇ):AT1受容体遮断薬(ARB)
2.「〇」ピオグリタゾン(アクトスⓇ):インスリン抵抗性改善薬(PPAR-γ作動薬)
チアゾリジン誘導体は、PPAR-γに結合し、インスリン抵抗性を改善させますが、副作用として体液貯留を伴う浮腫を生じることがあるので、心不全患者には禁忌となっています。
チアゾリジン誘導体が、PPAR-γに結合すると、腎臓でNaの再吸収が亢進するので、浮腫が生じます。
設問の患者は、足のむくみと体重増加が気になっているとあるので、ピオグリタゾンの副作用を疑います。
3.「×」ペマフィブラート(パルモディアⓇ):高脂血症治療薬(フィブラート系)
4.「×」硝酸イソソルビド(ニトロールⓇ):虚血性心疾患治療薬(硝酸薬)
5.「×」ブロチゾラム(レンドルミンⓇ):ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬
問340の解答:2