問191(病態)
加齢性黄斑変性(加齢黄斑変性)の病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。
2つ選べ。
1.水晶体の混濁により、視機能が低下する。
2.喫煙は危険因子の1つである。
3.失明に至ることはまれである。
4.薬物治療の対象となるのは、萎縮型である。
5.薬物治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬が用いられる。
問191の解説
1.「×」水晶体の混濁により、視機能が低下するのは、白内障です。
2.「〇」喫煙歴が長く、喫煙本数が多い人ほど、加齢黄斑変性症になるリスクが高くなると言われています。
3.「×」加齢黄斑変性症は、日本人の中途失明の第4位と言われています。
(中途失明の他の原因には、緑内障や糖尿病性網膜症があります)
4.「×」加齢黄斑変性症には、萎縮型と滲出型の2種類があります。
萎縮型:黄斑の組織が加齢とともに萎縮します。
滲出型:網膜の下に、もろい新生血管(脈絡膜新生血管)ができ、黄斑に障害を与えます。
滲出型は、抗VEGF療法などの薬物治療の対象となります。
5.「〇」加齢黄斑変性症の原因である脈絡膜の新生血管は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)によって成長します。
抗血管新生薬療法は、VEGFに対する抗体を目に注射することで、脈絡膜新生血管の成長を抑える治療法です。
抗VEGF薬
ラニビズマブ(ルセンティスⓇ)
アフリベルセプト(アイリーアⓇ)
ブロルシズマブ(ベオビュⓇ)
ファリシマブ(バビースモⓇ)
問191の解答:2と5
2023.12.1時点の記事