第108回 薬剤師国家試験問題 問254-255(前立腺肥大症) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第108回 薬剤師国家試験問題 問254-255(前立腺肥大症)

薬理・実務
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62歳男性。尿意切迫感及び夜間頻尿を訴え近隣の医療機関を受診したところ、前立腺肥大症と診断された。1カ月前よりナフトピジル口腔内崩壊錠25mgで治療を開始し、投与量を処方1まで漸増したが、尿意切迫感が残存したため、今回処方2が追加となった。

 

(処方1)

ナフトピジル口腔内崩壊錠75mg    1回1錠(1日1錠)

1日1回 朝食後  14日分

 

(処方2)

ミラベグロン錠50mg      1回1錠(1日1錠)

1日1回 朝食後  14日分

問254(薬理)

処方1及び2のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1.アセチルコリンM受容体の遮断

 

2.アドレナリンα1D受容体の遮断

 

3.アドレナリンβ3受容体の刺激

 

4.アセチルコリンM3受容体の遮断

 

5.ホスホジエステラーゼVの阻害

 

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ナフトピジル(フリバス®):α1D受容体遮断薬

ナフトピジルは、α1D受容体遮断作用に基づき前立腺および尿道に分布する交感神経の緊張を緩和し、尿道内圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善します。

 

薬剤名 作用機序
シロドシン(ユリーフ® α1A受容体遮断薬
タムスロシン(ハルナール® α1A(D)受容体遮断薬
ナフトピジル(フリバス® α1D受容体遮断薬

 

 

ミラベグロン(ベタニス®):β3受容体刺激薬

膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善します。

 

 

1.「×」アセチルコリンM受容体の遮断

2.「〇」アドレナリンα1D受容体の遮断は、ナフトピジルの記述です。

3.「〇」アドレナリンβ3受容体の刺激は、ミラベグロンの記述です。

4.「×」アセチルコリンM3受容体の遮断

5.「×」ホスホジエステラーゼVの阻害

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問255(実務)

薬剤師がこの患者に確認する内容として、重要性の高いのはどれか。2つ選べ。

 

1.めまいや立ちくらみを感じることはあるか。

 

2.咳が長く続いているか。

 

3.筋肉痛や赤褐色の尿が出ているか。

 

4.心疾患の治療を受けているか。

 

5.喘息の既往歴があるか。

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問255の解説

ナフトピジル(フリバス®)は、α1D受容体遮断薬。そのため副作用を考える際は、100%前立腺に選択性があることはないので、血管のα受容体遮断作用について考えると、血圧低下による、めまいや立ちくらみがないかを患者に確認する。

 

ミラベグロン(ベタニス®)は、β3受容体刺激薬。そのため副作用を考える際は、100%前立腺に選択性があることはないので、心臓のβ受容体刺激作用について考えると、心拍数増加等が考えられるため、心疾患の治療を受けてないか患者に確認する。

 

 

1.「〇」

2.「×」

3.「×」

4.「〇」

5.「×」

問255の解答:1と4
参考資料
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