問188(病態・薬物治療)
72歳男性。本態性高血圧症のために、処方1及び処方2を服用していた。
最近、血圧が上昇したため、薬物による降圧療法を強化することになった。
追加する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(処方1)
ニフェジピン徐放錠20mg 1回2錠(1日4錠)
1日2回 朝夕食後 14日分
(処方2)
テルミサルタン錠40mg 1回2錠(1日2錠)
1日1回 朝食後 14日分
1.アムロジピンベシル酸塩
2.アメジニウムメチル硫酸塩
3.シベンゾリンコハク酸塩
4.イルベサルタン
5.ドキサゾシンメシル酸塩
問188の解説
高齢者の本態性高血圧症に対して、最適な高血圧治療薬を選択する問題です。
基本的には、Ca拮抗薬、ARB(ACE阻害薬)、利尿薬(サイアザイド系など)、β遮断薬(糖尿病患者に使用する際は注意)などから、作用機序の違うものを選びますが、α遮断薬、MR拮抗薬、レニン阻害薬、中枢性交感神経抑制薬なども考慮します。
1.「×」アムロジピン(アムロジンⓇ・ノルバスクⓇ)は、処方1で服用にしているニフェジピン(アダラートⓇ)と同じ分類のCa拮抗薬です。
2.「×」アメジニウム(リズミックⓇ)は、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑制します。
そのため、交感神経を活性化させるので、低血圧症の治療に用いられます。
3.「×」シベンゾリン(シベノールⓇ)は、Vaughan Williams分類では、第Ⅰa群(Na+チャネル遮断)の抗不整脈薬です。
4.「×」イルベサルタン(イルベタンⓇ・アバプロⓇ)は、処方2で服用にしているテルミサルタン(ミカルディスⓇ)と同じ分類のARBです。
5.「〇」ドキサゾシン(カルデナリンⓇ)は、α1遮断薬です。
設問の患者が、前立腺肥大症かは不明ですが、72歳男性とあるので、ドキサゾシンを選択します。
問188の解答:5