問184(病態・薬物治療)
双極性障害の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.躁病相が認められない場合がある。
2.睡眠障害が認められる。
3.進行すると記憶障害が認められる。
4.躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。
5.うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。
問184の解説
双極性障害とは、躁状態(気分の高揚・活動性の増加・睡眠要求の低下)と、うつ状態(抑うつ気分・活力の減少)が繰り返される疾患のことです。
1.「×」双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰返す疾患です。
2.「〇」双極性障害では、睡眠障害が認められます。
3.「×」双極性障害では、初期から認知機能障害(記憶・注意・処理速度・実行機能低下)が認められます。
4.「〇」躁病相では、気分安定薬(炭酸リチウム・バルプロ酸・ラモトリギン)や非定型抗精神病薬(オランザピン・クエチアピン・アリピプラゾール)を用います。
気分安定薬 | 炭酸リチウム(リーマス®)
バルプロ酸(デパケン®・セレニカ®) ラモトリギン(ラミクタール®) |
非定型抗精神病薬 | オランザピン(ジプレキサ®)
クエチアピン(ビプレッソ®) アリピプラゾール(エビリファイ®) |
5.「×」うつ病相も躁病相と同様に、非定型抗精神病薬(クエチアピン・オランザピン)や気分安定薬(ラモトリギン・リチウム)が用いられます。
うつ病相で、3環系抗うつ薬であるイミプラミン(トフラニール®)を単独使用すると、躁転することがあるので推奨されていません。
問184の解答:2と4
2023.8.15時点の記事