問161(薬理)
利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断して、Na+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。
2.トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。
3.インダバミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Clー共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。
4.エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。
5.アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Clー共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。
問161の解説
1.「×」トリアムテレン(トリテレン®):Naチャネル阻害薬
遠位尿細管から集合管にかけて、Na+チャネルを阻害することにより、Na+-K+交換系を
抑制し、Na+の再吸収を抑制すると共に、K+の排泄を減少させ利尿作用を示す。
遠位尿細管から集合管にかけて、Na+チャネルを阻害することにより、Na+-K+交換系を
抑制し、Na+の再吸収を抑制すると共に、K+の排泄を減少させ利尿作用を示す。
2.「〇」トルバプタン(サムスカ®):バソプレシン拮抗薬
集合管で、バソプレシン受容体(V2)に拮抗して、水の再吸収を抑制する。
選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない利尿作用(水利尿作用)を示す。
3.「×」インダパミド(ナトリックス®):遠位尿細管Na+、Clー共輸送阻害薬
遠位尿細管においてNa+、Clー共輸送系を抑制し、Na+と水の再吸収を抑制し利尿作用を示す。
4.「〇」エプレレノン(セララ®):抗アルドステロン薬
遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体で、アルドステロンと拮抗して
アルドステロン依存性のNa+、K+交換を抑制し、Na+の再吸収を抑制すると共に、
K+排泄を減少させ利尿作用を示す。
5.「×」アゾセミド(ダイアート®):ループ利尿薬
ヘンレ係蹄上行脚において、Na+-K+-2Clー共輸送を阻害し、利尿作用を示す。
問161の解答:2と4
まとめ
作用機序 | 薬剤名 |
炭酸脱水酵素阻害 | アセタゾラミド(ダイアモックス®) |
遠位尿細管 Na+、Clー共輸送阻害 | チアジド系利尿薬 トリクロルメチアジド(フルイトラン®) 非チアジド系利尿薬 インダパミド(ナトリックス®) |
ヘンレ係蹄上行脚 Na+-K+-2Clー共輸送阻害 | ループ利尿薬 アゾセミド(ダイアート®) フロセミド(ラシックス®) |
アルドステロン拮抗 | スピロノラクトン(アルダクトン®) エプレレノン(セララ®) |
Na+チャネル阻害 | トリアムテレン(トリテレン®) |
バソプレシン拮抗 | トルバプタン(サムスカ®) |
利尿薬の作用点
2023.7.19時点の記事