健康診断 | リベラルアーツ!! 健康・社会保険・労働に関すること

健康診断

労働安全衛生法関連
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一般健康診断の種類
健康診断の種類 対象となる労働者 実施時期
雇入時健康診断 常時使用する労働者 雇入れの際
定期健康診断 常時使用する労働者

(特定業務従事者を除く)

1年以内ごとに1回
特定業務従事者の

健康診断

以下の業務に常時従事する労働者

①多量の高熱物体を取扱う業務・著しく暑熱な場所における業務

②多量の低温物体を取扱う業務・著しく寒冷な場所における業務

③ラジウム放射線・X線その他有害放射線にさらされる業務

④土石・獣毛等の塵埃or粉末を著しく飛散する場所における業務

⑤異常気圧下における業務

⑥削岩機・鋲打機等の使用により、体に著しい振動を与える業務

⑦重量物の取扱いなど重激な業務

⑧ボイラー製造など強烈な騒音を発する場所における業務

⑨坑内における業務

⑩深夜業を含む業務

⑪水銀・ヒ素・黄リン・フッ化水素酸・塩酸・硝酸・硫酸・青酸・か性アルカリ・石炭酸その他これらに準ずる有害物を取扱う業務

⑫鉛・水銀・クロム・ヒ素・黄リン・フッ化水素・塩素・塩酸・硝酸・亜硫酸・硫酸・一酸化炭素・二硫化炭素・青酸・ベンゼン・アニリンその他これらに準ずる有害物のガス・蒸気or粉塵を発散する場所における業務

⑬病原体によって汚染のおそれが著しい業務

⑭その他厚生労働大臣が定める業務

左記業務への配置替え

6カ月以内ごとに1回

海外派遣労働者の

健康診断

海外に6カ月以上派遣する労働者 海外に6カ月以上派遣する際

帰国後国内業務に就かせる際

給食従業員の検便 事業に附属する食堂or炊事場における給食の業務に従事する労働者 雇入れの際

配置替えの際

事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を
実施しなければなりません。
また、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければなりません。

特殊健康診断
特殊健康診断の対象となる労働者:雇入れ時・配置換えの際・6カ月以内ごとに1回
①屋内作用場などにおける有機溶剤業務に常時従事する労働者
②鉛業務に常時従事する労働者
③四アルキル鉛など業務に常時従事する労働者
④特定化学物質を製造し、or取扱う業務に常時従事する労働者および過去に従事した在籍労働者
⑤高圧室内業務or潜水業務に常時従事する労働者
⑥放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者
⑦除染など業務に常時従事する除染など業務従事者
⑧石綿等の取扱い等に伴い石綿の粉塵を発散する場所における業務に常時従事する労働者および
 過去に従事したことのある在籍労働者
じん肺健診
じん肺健診の対象となる労働者:雇入れ時・配置換えの際・管理区分に応じて1~3年以内ごとに
1回、常時粉塵作業に従事する労働者および従事したことのある管理2or管理3の労働者
歯科医師による健診
歯科医師による検診の対象となる労働者:雇入れ時・配置換えの際・6カ月以内ごとに1回
塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・フッ化水素・黄リンその他歯orその支持組織に有害な物のガス・
蒸気or粉塵を発散する場所における業務に常時従事する労働者
一般健康診断項目(雇入れ時)
①既往歴および業務歴の調査
②自覚症状および他覚症状の有無の検査
③身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査
④胸部X線検査
⑤血圧の測定
⑥貧血検査(血色素量・赤血球数)
⑦肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
⑧血中脂質検査(LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)
⑨血糖検査(空腹時or随時血糖の検査が必須・HbA1cのみの検査は認められません)
⑩尿検査(尿中の糖・タンパクの有無の検査)
⑪心電図検査
一般健康診断項目(定期健康診断)
①既往歴および業務歴の調査
②自覚症状および他覚症状の有無の検査
③身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査
④胸部X線検査・喀痰検査
⑤血圧の測定
⑥貧血検査(血色素量・赤血球数)
⑦肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
⑧血中脂質検査(LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)
⑨血糖検査(空腹時or随時血糖の検査が必須・HbA1cのみの検査は認められません)
⑩尿検査(尿中の糖・タンパクの有無の検査)
⑪心電図検査
 上記の中で、※の記号がある項目は、一定の基準を満たせば省略も可能です。
定期健康診断における健康診断の項目の省略基準
項目 医師が必要でないと認める時に左記の健康診断項目を省略できる者
身長 20歳以上の者
腹囲 ①40歳未満(35歳を除く)者

②妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内蔵脂肪の蓄積を

反映していないと診断された者

③BMIが20未満である者

④BMIが22未満であって、自ら腹囲を測定し、その値を申告した者

胸部X線検査 40歳未満のうち、以下のいずれにも該当しない者

①5歳毎の節目年齢(20歳・25歳・30歳・35歳)の者

②感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている

施設等で働いている者

③じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者

喀痰検査 ①胸部X線検査を省略された者

②胸部X線検査によって病変の発見されない者or胸部X線検査によって

結核発病のおそれがないと診断された者

貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・

血糖検査・心電図検査

35歳未満の者・36~39歳の者
健康診断の対象者:常時使用する労働者とは?
常時使用する労働者とは、以下の①及び②の要件を満たす者であり、
この要件を満たせばパート・アルバイトといった方も該当します
①使用期間
 一般業務従事者は1年以上使用される予定の者
 特定業務従事者(労働安全衛生規則第45条関係)は6カ月以上使用される予定の者
②労働時間数
 同種の業務に従事する労働者の一週間の所定労働時間数の3/4以上の者
契約形態 正社員 パートタイム労働者
・無期契約

・契約期間が1年以上

の有期契約

(契約更新により1年以上になる場合を含む)

契約期間が6カ月以上1年未満の有期契約

(契約更新により6カ月以上となる場合を含む)

週所定労働時間(対正社員) 1 3/4以上 1/2以上3/4未満 1/2未満 3/4以上 1/2以上3/4未満 1/2未満
一般

健康診断

雇入時の健康診断
定期健康診断

(1年以内に1回)

特定業務への配置換え時に

行う健康診断

特定業務従事者の

定期健康診断

(6カ月以内に1回)

特殊

健康診断

入社時・有害業務への配置

換え時に行う特殊健康診断

特殊健康診断については、契約形態および週所定労働時間によらず、あくまで有害業務に常時従事する場合には、健康診断を実施する義務が定められています。
定期の特殊健康診断

(6カ月以内に1回)

◎:労働安全衛生法を根拠に実施する義務があるもの
〇:法令上の実施義務規定は無いが、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(平成5年12月1日基発第663号)により実施が望ましいとされているもの
△:実施根拠規定がないもの

健康診断の費用負担
労働安全衛生法の義務に基づいて実施される健康診断の費用は
事業者が負担すべきものです
健康診断の時間は、労働時間?
『一般健康診断』
労働時間:該当しません
賃金:労使協議により定めるべきものですが、受診に要した時間の賃金は事業者が支払うことが望ましいとされています。
『特殊健康診断』
労働時間:該当する。
賃金:労働時間に該当するため賃金の支払い義務が発生。時間外に行われた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。

質問:健康診断を受けている間の賃金はどうなるのでしょうか?(厚生労働省の回答)

回答:健康診断は、大きく分けて一般健康診断と特殊健康診断があります。
一般健康診断:労働者の雇入れ時と、雇入れ後1年以内ごとに1回、定期的に行う健康診断です。
特殊健康診断:法定の有害業務に従事する労働者が受ける健康診断です。
 
一般健康診断は、一般的な健康確保を目的として事業者に実施義務を課したもののため、
業務遂行との直接の関連において行われるものではありません。
そのため、受診のための時間についての賃金は、労使間の協議によって定めるべきものです。
特殊健康診断は、業務の遂行に関して、労働者の健康確保のため当然に実施しなければならない
健康診断のため、特殊健康診断の受診に要した時間は労働時間であり、賃金の支払いが必要です。

健康診断結果報告
常時50人以上労働者を使用する事業場では、「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署に提出しなければなりません。
 
健康診断の不実施は、50万円以下の罰金に処せられます。(労働安全衛生法第120条)。
定期健康診断の受診については、労働者の義務のため、労働者が健康診断の受診を
拒否した場合は、就業規則等の定めによって、懲戒処分の対象とすることができます。
健康診断個人票の保存期間
健康診断の種類 監督署への報告 個人票の保存期間
一般健康診断 雇入時の健康診断 必要なし 5年
定期健康診断 常時使用する労働者が

50人以上の場合は必要

特定業務従事者の健康診断
海外派遣労働者の健康診断 必要なし
給食受持者の検便
特殊健康診断 有機溶剤健康診断 必要
鉛健康診断
四アルキル鉛健康診断
特定化学物質健康診断 5年

特別管理物質は30年

高気圧業務健康診断 5年
電離放射線健康診断 30年
除染など電離放射線健康診断
石綿健康診断 40年
じん肺健康診断 健康診断実施の有無にかかわらず、毎年12月末日

現在の「じん肺健康管理実施状況報告」を

翌年2月末までに提出する必要があります。

7年
参考資料
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