問60(病態・薬物治療)
臨床所見としてスプーン状爪が認められる疾患はどれか。1つ選べ。
1.鉄欠乏性貧血
2.巨赤芽球性貧血
3.自己免疫性溶血性貧血
4.腎性貧血
5.骨髄異形成症候群
問60の解説
1.「〇」鉄欠乏性貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビンの産生に必要な鉄が不足することによって起こります。症状としては、疲労感・息切れ・眩暈・異食症・スプーン状爪(匙状爪)がみられます。
2.「×」巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12・葉酸が不足することによって起こります。
症状としては、疲労感・息切れ・動悸・舌炎・消化管症状がみられます。
3.「×」自己免疫性溶血性貧血は、赤血球に対する自己抗体が産生され、本来の寿命よりも早く赤血球が破壊されることによって起こります。症状としては、ビリルビン値が上昇するので、黄疸・褐色尿が見られます。
4.「×」腎性貧血は、腎機能低下により、赤血球を産生するエリスロポエチンの分泌が減少するために起こります。症状としては、疲労感・息切れ・眩暈がみられます。
5.「×」骨髄異形成症候群(MDS)は、造血幹細胞(血液細胞の元の細胞)に異常が生じて、正常な血液細胞(赤血球・白血球・血小板)が減少して起こります。
問60の解答:1
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