問56(病態・薬物治療)
神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることにより、筋力低下をきたす自己免疫疾患はどれか。1つ選べ。
1.イートン・ランバート症候群
2.重症筋無力症
3.ギラン・バレー症候群
4.進行性筋ジストロフィー
5.筋萎縮性側索硬化症
問56の解説
1.「×」ランバート・イートン症候群は、神経筋接合部(アセチルコリンが神経終末から筋肉に向かって放出される場所)において、自己抗体が、神経終末(前シナプス膜)にあるCaチャネルを破壊し、アセチルコリンの放出が減少する自己免疫疾患です。
2.「〇」重症筋無力症は、神経筋接合部において、自己抗体が、筋肉側にあるアセチルコリン受容体を破壊する自己免疫疾患です。
3.「×」ギラン・バレー症候群は、感染症により活性化した免疫機構が、末梢神経を自己抗体で、攻撃してしまう自己免疫疾患です。
4.「×」進行性筋ジストロフィーは、遺伝性疾患で、骨格筋の筋線維が変性してしまい、進行性の筋力低下を認める疾患です。
5.「×」筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、神経(運動ニューロン)が障害されることにより、脳からの指令が筋肉にうまく伝わらず、徐々に身体が動かせなくなる疾患です。
問56の解答:2
2024.4.10時点の記事