問210-211
60歳女性。5年前より糖尿病治療のためクリニックを受診している。
今回体重増加と血糖コントロール不良により、現在服用中の薬剤(処方1)にダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠(処方2)が追加された。
(処方1)
ミグリトール錠50mg 1回1錠 (1日3錠)
1日3回 朝昼夕食直前 28日分
メトホルミン塩酸塩錠250mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 28日分
(処方2)
ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
問210(実務)
薬剤師による処方2の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.尿量を減らす働きがあります。
2.尿中の糖を減らす働きがあります。
3.排尿時の違和感があるときは申し出てください。
4.喉の渇きを感じることがあります。
5.腹部膨満感を起こしやすいです。
問210の解説
ミグリトール(セイブルⓇ):食後過血糖改善薬
メトホルミン(メトグルコⓇ):ビグアナイド系経口血糖降下薬
ダパグリフロジン(フォシーガⓇ):SGLT2阻害薬
1.「×」SGLT(ナトリウム・グルコース共輸送体)2阻害薬は、腎臓においてグルコース・Na+の再吸収を抑制するため、浸透圧利尿により尿量が増えます。
2.「×」SGLT2阻害薬は、腎臓においてグルコース・Na+の再吸収を抑制し、尿中へのグルコース排泄が促進されます。
3.「〇」SGLT2阻害薬は、腎臓においてグルコース・Na+の再吸収を抑制し、尿中へのグルコース排泄が促進されます。そのため、菌が繁殖しやすい状態になるので、尿路感染症に注意が必要です。
排尿時に違和感があるときは申し出て下さいと患者に伝えます。
4.「〇」SGLT2阻害薬は、腎臓においてグルコース・Na+の再吸収を抑制するため、浸透圧利尿により尿量が増え、喉の渇きを感じます。
5.「×」腹部膨満感の副作用が起こりやすいのは、ミグリトール(α-グルコシダーゼ阻害薬)です。
問210の解答:3と4