問332(実務)
75歳女性。入院して大腸ポリープ切除術を施行することになった。
この病院では、入院前にあらかじめ入院支援センターで薬剤師により持参薬のチェックなどを行うことになっている。
また、大腸ポリープ切除術のクリニカルパスには手術当日から創部感染予防の目的でセフメタゾールナトリウム静注用と発熱予防目的でアセトアミノフェン錠を投与することが記載されていた。
入院支援センターの薬剤師が聞き取り調査を行ったところ、以下の情報が得られた。
薬剤師が医師に提案する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
(お薬手帳の内容)
アムロジピン錠5mg 1回1錠 1日1回 朝食後
シンバスタチン錠5mg 1回1錠 1日 1回 夕食後
ワルファリンカリウム錠 1mg 1回 2錠 1日 1回 夕食後
(入院支援センターの薬剤師が患者から聞き取った内容)
・健康食品、サプリメント 特になし。
・副作用、アレルギー歴 アスピリン喘息 2~ 3年前、ペニシリン系抗生物質により発疹
1.アムロジピン錠の中止
2.ワルファリンカリウム錠の変更
3.シンバスタチン錠の中止
4.セフメタゾール注の変更
5.アセトアミノフェン錠の変更
問332の解説
1.「×」アムロジピン(アムロジンⓇ・ノルバスクⓇ):Ca拮抗薬
2.「〇」ワルファリン(ワーファリンⓇ):抗凝固薬
血栓塞栓症のリスクが高い患者では、大腸ポリープ切除術の数日前に、ワルファリン(半減期が長い)を休薬して、ヘパリン(半減期が短い)に変更することを医師に提案します。
3.「×」シンバスタチン(リポバスⓇ):HMG-CoA還元酵素阻害薬
4.「〇」セフメタゾール(セフメタゾンⓇ):セファマイシン系抗生物質
設問の患者は、ペニシリン系抗生物質により発疹とあるので、β-ラクタム環を持ち、構造が似ている薬剤同士では、交差反応が考えられるので、セフメタゾールの変更を医師に提案します。
5.「×」アセトアミノフェン(カロナールⓇ):解熱鎮痛薬
問332の解答:2と4