問214-215
84歳男性。妻との二人暮らし。軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル塩酸塩による治療を開始した。
(処方)
ドネペジル塩酸塩錠3mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分
問215(実務)
妻から「薬は夫が自分で管理しているが、飲んだはずの薬を再度飲んだり服薬を忘れる日があるようだ。」、「服薬後の食欲低下と腹痛、下痢がある。」と薬局に相談があった。
また、認知症治療を続け、夫が薬を正しく使用しているか確認できるようにしたいとの要望があった。
患者の状態等や妻の要望を考慮して、かかりつけ医に提案する、ドネペジル塩酸塩錠から変更する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠
2.ドネペジル塩酸塩経口ゼリー
3.ガランタミン錠
4.リバスチグミンテープ
5.メマンチン塩酸塩錠
問215の解説
ドネペジル(アリセプトⓇ)は、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬なので、消化器系の副作用が考えられます。
飲み薬から貼付薬に切り替え、貼付薬に日付を書いて使用すると、薬を正しく使用できているか確認できる可能性が高くなります。
1.「×」ドネペジル:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
アセチルコリンエステラーゼを阻害することにより脳内のアセチルコリン量を増加させます。
2.「×」
3.「×」ガランタミン(レミニールⓇ):アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
アセチルコリンエステラーゼを阻害することにより脳内のアセチルコリン量を増加させます。
また、神経細胞保護作用により神経細胞の機能低下を抑制します。
4.「〇」リバスチグミン(イクセロンⓇ・リバスタッチⓇ):アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
アセチルコリンエステラーゼを阻害することにより脳内のアセチルコリン量を増加させます。
5.「×」メマンチン(メマリーⓇ):NMDA受容体拮抗薬
アルツハイマー型認知症は、グルタミン酸受容体サブタイプであるNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体チャネルの過剰活性が原因の1つと考えられています。
問215の解答:4