問156(薬理)
抗リウマチ薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。
2.アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。
3.トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。
4.トシリズマブは、抗ヒトIL-1bモノクローナル抗体で、IL-1bの作用を抑制する。
5.エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFc鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。
問156の解説
1.「×」インフリキシマブ(レミケードⓇ):抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤
インフリキシマブは、可溶性TNF-αと結合したり、TNF-α受容体に結合したTNF-αを解離させることで、TNF-αの作用を抑制すると考えられています。
2.「〇」アバタセプト(オレンシアⓇ): T細胞選択的共刺激調節薬
アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することで、CD28を介した共刺激シグナルを阻害し、T細胞の活性化およびサイトカイン産生を抑制します。
3.「〇」トファシチニブ(ゼルヤンツⓇ):ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬
4.「×」トシリズマブ(アクテムラⓇ):抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体
5.「×」エタネルセプト(エンブレルⓇ):可溶性TNFα/LTαレセプター製剤
エタネルセプトが、TNF-αやLTαに結合し、細胞表面のTNF受容体との結合を阻害します。
LTα(リンホトキシンα):以前は腫瘍壊死因子β (TNF-β)として知られていました。
LTは、活性化リンパ球から産生されるサイトカインで、細胞障害性因子・炎症惹起物質として働きます。
問156の解答:2と3