問112
下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ並びにATP合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
112 108
1.NADH由来の電子は、複合体Ⅰを経由し、ユビキノンへ伝達される。
2.H+は、複合体Ⅰ、Ⅱ及びⅣにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。
3.O2は、複合体Ⅲにおいてシトクロムcから電子を受け取りH2Oとなる。
4.ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。
5.内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。
問112の解説
1.「〇」NADHからの電子は、ミトコンドリア内膜にある複合体Ⅰを経由し、ユビキノン(CoQ)へ伝達されます。
FADH2からの電子は、ミトコンドリア内膜にある複合体Ⅱを経由し、ユビキノン(CoQ)へ伝達されます。
2.「×」H+は、複合体Ⅰ・Ⅲ・Ⅳにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出されます。
(※複合体Ⅱは、H+の移動はありません)
3.「×」O2は、複合体Ⅳにおいてシトクロムcから電子を受け取りH2Oとなります。
4.「〇」H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に、ADPからATPが合成されます。
5.「×」内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて多いです。
NADH:複合体Ⅰ(4)、複合体Ⅲ(4)、複合体Ⅳ(2)なので、合計10個のH+がマトリックスから膜間腔側へ移動します。
FADH2:複合体Ⅲ(4)、複合体Ⅳ(2)なので、合計6個のH+がマトリックスから膜間腔側へ移動します。
電子伝達系
2023.11.15時点の記事