第108回 薬剤師国家試験問題 問165(内分泌ホルモン) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第108回 薬剤師国家試験問題 問165(内分泌ホルモン)

薬理
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問165(薬理)

内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1.クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。

 

2.テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。

 

3.プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。

 

4.ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。

 

5.メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。
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問165の解説
1.「×」クロミフェン(クロミッド®):抗エストロゲン薬
クロミフェンは、視床下部(間脳の一部)のエストロゲン受容体で、エストロゲンと競合的に拮抗し、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌を促進させる。その結果、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が分泌され、卵巣を刺激して排卵が誘発される。
(※間脳=視床+視床下部+下垂体)

2.「×」テリパラチド(フォルテオ®・テリボン®):副甲状腺ホルモン製剤
テリパラチドは、副甲状腺ホルモンのペプチド断片。
間欠的な皮下投与により、前駆細胞から骨芽細胞への分化を促進し、骨形成を促進する。
また、骨芽細胞のアポトーシスを抑制作用もある。

 

3.「〇」プロピルチオウラシル(チウラジール®・プロパジール®):抗甲状腺薬
甲状腺内でペルオキシダーゼを阻害して、ヨウ化物の酸化とモノ及びジヨードチロニンからトリヨードチロニン(T3)およびチロキシン(T4)が合成される反応を阻害し、甲状腺ホルモンの産生を抑制する。

4.「×」ブロモクリプチン(パーロデル®):ドパミンD2受容体刺激薬
臨床的には、パーキンソン病治療にD2受容体刺激作用を利用する。また、D2受容体刺激薬には、プロラクチン分泌を抑制する作用があるので、乳汁漏出症患者に利用する場合もある。

5.「〇」メテノロン(プリモボラン®):タンパク同化ステロイド剤
メテノロンは、肝臓及び各組織のアンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質合成を促進させる。
問165の解答:3と5
参考資料
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