問155(薬理)
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。
2.カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。
3.フルマゼニルは、γ‐アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部分を遮断することで、呼吸を促進する。
4.グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。
5.アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。
問155の解説
1.「〇」メチルフェニデート(コンサータ®・リタリン®):中枢神経刺激薬
メチルフェニデートは、シナプス前終末でノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のノルアドレナリンやドパミン濃度を増加させることにより、神経系の興奮を高めるものと考えられています。
メチルフェニデートは、シナプス前終末でノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のノルアドレナリンやドパミン濃度を増加させることにより、神経系の興奮を高めるものと考えられています。
2.「×」カフェイン(キサンチン誘導体):中枢興奮薬
カフェインは、ホスホジエステラーゼ阻害薬であり、cAMPやcGMPの分解を抑制し、cAMPやcGMPをセカンドメッセンジャーとする受容体機能を亢進させ、眠気や倦怠感を改善させます(中枢興奮作用)。また、強心作用やそれに伴う利尿作用もあります。
カフェインは、ホスホジエステラーゼ阻害薬であり、cAMPやcGMPの分解を抑制し、cAMPやcGMPをセカンドメッセンジャーとする受容体機能を亢進させ、眠気や倦怠感を改善させます(中枢興奮作用)。また、強心作用やそれに伴う利尿作用もあります。
3.「×」フルマゼニル(アネキセート®):ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬剤に拮抗することで、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静作用の解除および呼吸抑制の改善に用いられています。
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬剤に拮抗することで、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静作用の解除および呼吸抑制の改善に用いられています。
(※GABAA受容体は、GABA結合部分・ベンゾジアゼピン結合部分・バルビツレート結合部分が存在し、複合体を形成しています)
4.「×」グアンファシン(インチュニブ®):α2Aアドレナリン受容体作動薬
グアンファシンは、α2A受容体作動薬で、α2A受容体を介したノルアドレナリンのシナプス伝達を調整することにより、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療に用いられています。
グアンファシンは、α2A受容体作動薬で、α2A受容体を介したノルアドレナリンのシナプス伝達を調整することにより、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療に用いられています。
5.「〇」アトモキセチン(ストラテラ®):ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
アトモキセチンは、神経終末のノルアドレナリン再取り込みを阻害することにより、シナプス間隙のノルアドレナリンを増加させることにより、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療に用いられています。
アトモキセチンは、神経終末のノルアドレナリン再取り込みを阻害することにより、シナプス間隙のノルアドレナリンを増加させることにより、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療に用いられています。
問155の解答:1と5
注意欠陥・多動性障害(AD/HD)治療薬のまとめ
薬剤名 | メチルフェニデート
(コンサータ®) |
アトモキセチン
(ストラテラ®) |
グアンファシン
(インチュニブ®) |
分類 | 中枢神経刺激薬 | 非中枢神経刺激薬 | |
作用機序 | ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害 | ノルアドレナリン再取り込み阻害 | α2A受容体作動薬 |
注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療効果 | ◎不注意
〇多動性 〇衝動性 |
〇不注意
〇多動性 〇衝動性 |
〇不注意
◎多動性 ◎衝動性 |
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