問334(実務)
68歳女性。1週間前より右下肢に腫脹が見られるようになり、かかりつけ医から大学病院を紹介され、受診した。
下肢静脈超音波検査による血栓の確認及び D-ダイマーの上昇により、深部静脈血栓症と診断され、即日入院となった。
薬剤師は、患者が携帯していたお薬手帳より、現在の使用中の薬剤情報を入手した。
また、入院後も服用継続の予定である。
(お薬手帳の内容)
ミコナゾールゲル経口用2% 20g 1回適量
1日4回 朝昼夕就寝前 口腔内に塗布
(臨床検査値)
D-ダイマー 8.9μg/mL(基準値:1.0μg/mL未満)、
eGFR 72mL/min/1.73m2
この患者に適切な深部静脈血栓症の治療薬はどれか。2つ選べ。
1.シロスタゾール
2.クロピドグレル
3.ワルファリンカリウム
4.アピキサバン
5.ダルテパリン
問334の解説
Dダイマーは、深部静脈血栓症の診断に用いる検査項目のひとつで、血栓ができ、溶けると数値が高くなります
1.「×」シロスタゾール(プレタールⓇ):抗血小板薬(PDEⅢ阻害)
2.「×」クロピドグレル(プラビックスⓇ):抗血小板薬(P2Y12阻害)
3.「×」ミコナゾール(フロリードⓇ):アゾール系抗真菌薬
ワルファリン(ワーファリンⓇ):抗凝固薬
ミコナゾールが、ワルファリンの代謝酵素であるCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの作用が増強するため、両薬剤の併用は禁忌
4.「〇」アピキサバン(エリキュースⓇ):抗凝固薬(Xa因子阻害)
5.「〇」ダルテパリン(フラグミンⓇ):低分子ヘパリン製剤
問334の解答:4と5
2025.11.16時点の記事

