問153(薬理)
外科的手術時に用いられる薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.血液/ガス分配係数の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔の導入は速い。
2.最小肺胞濃度(MAC)の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔作用は強い。
3.デクスメデトミジンは、アドレナリンα2受容体を刺激することで、鎮痛及び鎮静作用を生じる。
4.チアミラールは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで、意識消失を生じる。
5.ケタミンは、ヒスタミンH1受容体を遮断することで、不動化(筋弛緩)を起こす。
問153の解説
1.「×」血液/ガス分配係数の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔の導入は遅い。
血液/ガス分配係数は、吸入麻酔薬の血液への溶解度を示すので、値が小さい程、麻酔の導入時間・覚醒速度が速くなります。
2.「×」最小肺胞濃度(MAC)の小さい吸入麻酔薬ほど、麻酔作用が強い。
3.「〇」デクスメデトミジン(プレセデックスⓇ):α2作動性鎮静薬
4.「〇」チアミラール(チトゾールⓇ・イソゾールⓇ):超短時間型バルビツール酸誘導体
GABAA受容体のバルビツール酸結合部位に結合し、Cl–チャネルを開口して、神経機能を抑制します。
5.「×」ケタミン(ケタラールⓇ):グルタミン酸(NMDA型)受容体拮抗薬
問153の解答:3と4
2025.6.30時点の記事