問119(生物)
細菌毒素に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.リポ多糖は、グラム陰性菌外膜の構成成分であり、多糖部位に免疫刺激作用がある。
2.スーパー抗原は、B細胞受容体と非特異的に結合して抗体産生を抑制する。
3.ストレプトリジンOは、化膿レンサ球菌から産生され、コレステロールと結合して宿主の細胞膜に孔をあける。
4.ベロ毒素は、百日咳菌から産生され、咽頭粘膜と結合して偽膜を形成する。
5.破傷風毒素は、運動神経の終末部から取り込まれ、脊髄まで運ばれる。
問119の解説
1.「〇」リポ多糖(LPS)は、グラム陰性菌の外膜に存在し、リポ多糖(リピドA・コア多糖・O抗原)を構成している、リピッドAには、免疫刺激作用があります。
2.「×」スーパー抗原は、T細胞受容体と非特異的に結合して、T細胞を活性化し、多量のサイトカイン(サイトカインストーム)を放出させる抗原のことです。
3.「〇」ストレプトリジンOは、A群β溶血性レンサ球菌が産生し、赤血球の細胞膜に孔をあけ、溶血させる毒素です。
4.「×」ベロ毒素は、腸管出血性大腸菌(O-157)が産生する毒素です。
タンパク合成を阻害し、出血性大腸炎(血便)・溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こします。
5.「〇」破傷風毒素(テタノスパスミン)は、運動神経終末部から取り込まれ、軸索とシナプスに沿って逆行し、脊髄まで運ばれ、神経伝達物質(GABAなど)の遊離を阻害するので、テタニー(強直性痙攣)が引き起こされます。
問119の解答:1と3と5
2025.6.24時点の記事