問114(生物)
ヒトにおける脂肪酸の生合成に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.ミトコンドリアで行われる。
2.アシル鎖の伸長過程で、補酵素としてNADHが利用される。
3.クエン酸により促進される。
4.アセチルCoAを前駆物質としてリノール酸が合成される。
5.アセチルCoAをマロニルCoAに転換する反応が律速段階である。
問114の解説
1.「×」脂肪酸の生合成は、細胞質で、脂肪酸の分解(β酸化)は、ミトコンドリアで行われます。
2.「×」アシル鎖の伸長過程で、ペントースリン酸回路で生じた、NADPHが補酵素として利用されます。
3.「〇」クエン酸が、TCA回路で使われるか、脂肪酸の生合成に使われるかは、酵素により調節されていますが、クエン酸が、アセチルCoAの供給源なので、クエン酸により脂肪酸合成は促進されます。
4.「×」必須脂肪酸として、リノール酸・α-リノレン酸・アラキドン酸があります。
ヒトは、2重結合をメチル基末端(ω)から数えて9番目より先に導入できないため、ω-3のα-リノレン酸、ω-6のリノール酸・アラキドン酸が必須脂肪酸となります。
5.「〇」脂肪酸合成の律速段階は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(炭酸固定反応)が、アセチルCoAをマロニルCoAに変換する段階です。
問114の解答:3と5
2025.6.16時点の記事