問342(実務)
来局者の訴える症状及び現在の服用薬、それに対して薬剤師が選択した一般用漢方製剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
来局者の訴える症状 | 現在の服用薬 | 選択した一般用漢方製剤 | |
1 | 風邪のひき始めで寒気がする | タムスロシン塩酸塩口腔内崩壊錠 | 防風通聖散 |
2 | アレルギー性の鼻炎 | アピキサバン錠 | 小青竜湯 |
3 | 疲れやすく、食欲不振である | グリチルリチン含有製剤 | 補中益気湯 |
4 | 排尿が困難であり、いつも残尿感がある | ファモチジン錠 | 八味地黄丸 |
5 | 夜就寝中に足がつる | スピロノラクトン錠 | 当帰芍薬散 |
問342の解説
1.「×」タムスロシン(ハルナールⓇ):α1A遮断薬
(※シロドシン(ユリーフⓇ):α1A遮断薬・ナフトピジル(フリバスⓇ):α1D遮断薬)
防風通聖散は、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人に用いられます。
2.「〇」アピキサバン(エリキュースⓇ):血液凝固因子の第Xa因子を阻害(FXa阻害剤)
小青竜湯:鼻炎・咳嗽・気管支喘息などに用いられます。
3.「×」グリチルリチン(グリチロンⓇ):肝機能改善薬
補中益気湯:胃腸の働きを良くして、体力を増強させます。
補中益気湯には、甘草が含有されているため、グリチルリチンと併用すると、偽アルドステロン症があらわれやすくなります。
偽アルドステロン症は、低K血症や高血圧など、原発性アルドステロン症と同様の症状を呈するにも関わらず、血中レニンは低値を示し、アルドステロンは高値を示しません。
グリチルリチンが、コルチゾールを不活性化する、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD)2を阻害することにより、過剰となったコルチゾールがミネラルコルチコイド受容体に作用するためにおこります。
4.「〇」ファモチジン(ガスターⓇ):H2受容体拮抗薬
八味地黄丸:頻尿・残尿感・排尿困難などに用いられます。
5.「×」スピロノラクトン(アルダクトンⓇ):K保持性利尿薬(抗アルドステロン利尿薬)
当帰芍薬散:血行をよくして体を温める作用があります。
問342の解答:2と4
2024.8.2時点の記事