第109回 薬剤師国家試験問題 問339(持参薬チェック) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第109回 薬剤師国家試験問題 問339(持参薬チェック)

実務
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問339(実務)

73歳男性。体重72kg。持続性心房細動及び高血圧症に対して治療中であった。

自宅で階段を踏み外し、転倒したため救急搬送された。

頭部CT検査は異常なしであったが、右前腕部尺骨の骨折による前腕部の腫脹が認められたため、保存治療のため入院することになった。

入院時検査を行うとともに病棟薬剤師が持参薬の確認を行った。

 

(持参薬)

ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg

オルメサルタン口腔内崩壊錠20mg

スピロノラクトン錠50mg

ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物懸濁用散分包 5g

エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠60mg

 

(入院時所見)

体温 36.8 ℃、血圧 128/80mmHg、脈拍 92拍/分

 

(検査値)

赤血球 453×104 /μL、白血球 4,060/μL、血小板 15.4×104 /μL、

Hb 14.2g/dL、AST 24 IU/L、ALT 18 IU/L、

総ビリルビン 0.8 mg/dL、 γ-GTP 54 IU/L、LDH 248 IU/L、

尿酸 6.0mg/dL、Na 141 mEq/L、 K 3.0 mEq/L、

血清アルブミン 3.5g/dL、BUN 39mg/dL、 血清クレアチニン 1.85mg/dL、

CCr 36.2mL/min、下肢浮腫(+)、 尿蛋白(+)

 

この患者の持参薬のうち、薬剤師が入院時に減量あるいは中止を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1.ビソプロロールフマル酸塩錠

 

2.オルメサルタン口腔内崩壊錠

 

3.スピロノラクトン錠

 

4.ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物懸濁用散分包

 

5.エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠

 

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問339の解説

1.「×」ビソプロロール(メインテート):β1遮断薬

心房細動及び高血圧症で、血圧 128/80mmHg、脈拍 92拍/分なので、減量あるいは中止の提案は必要ありません。

 

 

2.「×」オルメサルタン(オルメテック):AT1受容体遮断薬(ARB)

高血圧症で、血圧 128/80mmHgなので、減量あるいは中止の提案は必要ありません。

 

 

3.「×」スピロノラクトン(アルダクトン):K保持性利尿薬(抗アルドステロン性利尿薬)

K 3.0 mEq/L(基準値:3.5〜5.0mEq/L)より、減量あるいは中止の提案は必要ありません。

 

 

4.「〇」ジルコニウム(ロケルマ):高カリウム血症改善薬

K 3.0 mEq/L(基準値:3.5〜5.0mEq/L)より、中止の提案をします。

ジルコニウムは、微細孔構造を有するポリマーで、KをHやNaと交換し、Kを糞中に排泄させます。

 

 

5.「〇」エドキサバン(リクシアナ):活性化血液凝固第X因子(FXa)阻害薬

エドキサバンは、腎排泄型薬剤です。

CCr 36.2mL/minより、エドキサバンを減量し、1日1回30mgで提案します。

(※30≦CCr(クレアチニンクリアランス)≦50のときは、30mgを1日1回経口投与)

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