問329
60歳女性。腎不全のため高カロリー輸液による栄養管理を実施することになった。
担当薬剤師はブドウ糖含有率50%の基本輸液500mL、脂肪乳剤100mL、高カロリー輸液用微量元素製剤2 mL、総合ビタミン剤5mL を用意した。
この組成の輸液に加える総窒素10mg/mL の総合アミノ酸輸液の量として、最も近いのはどれか。
1つ選べ。 ただし、この患者の NPC/N 比を400、脂肪乳剤100mL に含まれる熱量を200kcal とする。
① 200mL
② 300mL
③ 400mL
④ 500mL
⑤ 600mL
NPC(非タンパク質カロリー)/N = 糖質・脂肪によるカロリー量(kcal)/窒素量(g)
アミノ酸は、エネルギーが十分あれば、タンパク質合成に利用されます。
しかし、エネルギーが不十分だと、エネルギー源となってしまうため、NPC/N比を確認します。
一般的には、タンパク質合成に効率的なNPC/N比は150~200ですが、腎不全時には300~500としたりします。(※⇔アミノ酸の16%が窒素⇔アミノ酸6.25gあたり、窒素1g)
①「×」
②「〇」
NPC(非タンパク質カロリー量)を求める。
設問より、ブドウ糖含有率50%の輸液500mLとあるので、
500×0.5×4(Atwater係数:炭水化物:4kcal/g)=1000kcal。
脂肪乳剤100mLに含まれる熱量が、200kcalとあるので、
NPC=1000+200=1200kcal
N(投与窒素量)を求める。
患者は腎不全のため、NPC/N=400と書いてある。
1200/N=400 ⇔ N=3g
総合アミノ酸輸液の総窒素量は、1mLあたり10mg(0.01g)とある。
よって、投与窒素量を3gとするには、総合アミノ酸輸液の量としては、300mL必要。
③「×」
④「×」
⑤「×」