第108回 薬剤師国家試験問題 問312-313(市販薬の咳止め) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第108回 薬剤師国家試験問題 問312-313(市販薬の咳止め)

実務
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40歳男性。市販の咳止め薬の購入のため薬局を訪れた。

男性は4つの製品のそれぞれの特徴について薬剤師に説明を求めた。

 

区分 成分(成人1日量)
製品A 第2類 (6錠中)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物90mg
製品B 第2類 (6カプセル中)L-カルボシステイン750mg、ブロムへキシン塩酸塩12mg
製品C 指定第2類 (3錠中)ジプロフィリン225mg、dl-メチルエフェドリン塩酸塩18.75mg、ノスカピン30mg、ジフェンヒドラミン塩酸塩45mg
製品D 指定第2類 (30mL中)ジヒドロコデインリン酸塩15mg、グアイフェネシン85mg、クロルフェニラミンマレイン酸塩6mg、無水カフェイン31mg

 

問312(実務)

薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1.製品Aは、下痢症状があらわれることがあります。

 

2.製品Bは、2つの去痰成分を含んでおり、痰により引き起こされる咳症状に有効です。

 

3.製品Cは、胃の粘膜を保護する成分も含んでいます。

 

4.製品Cは、動悸があらわれることがあります。

 

5.製品Dは、解熱鎮痛成分も含んでいます。

 

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問312の解説

1.「×」デキストロメトルファン(メジコン):延髄にある咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制。

構造式がコデインに似ているが、非麻薬性鎮咳薬。下痢よりも便秘の副作用が多い。

 

2.「〇」カルボシステイン(ムコダイン):気道粘液調整・粘膜正常化剤

ブロムへキシン:気道粘液溶解剤

 

3.「×」ジプロフィリン:気管支喘息治療薬

dl-メチルエフェドリン(メチエフ):気管支喘息治療薬

ノスカピン:非麻薬性鎮咳薬

ジフェンヒドラミン(レスタミン):抗ヒスタミン薬

 

4.「〇」dl-メチルエフェドリンは、αβ受容体刺激薬なので、β受容体刺激による動悸が現れることがあります。

 

5.「×」ジヒドロコデイン:麻薬性鎮咳薬

グアイフェネシン:鎮咳去痰薬

クロルフェニラミン(ポララミン・アレルギン):抗ヒスタミン薬

無水カフェイン:中枢興奮薬

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問313(法規・制度・倫理)

この男性の症状やこれまでの製品の使用経験などから、製品Dの鎮咳去痰薬を販売することとなった。製品Dに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1.購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。

 

2.特定販売ができない製品である。

 

3.販売者は、薬剤師に限られる。

 

4.原則として一人一包装単位での販売となる。

 

5.購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。

 

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問313の解説

厚生労働省は、濫用のおそれのある医薬品として、エフェドリン・コデイン・ジヒドロコデイン・ブロムワレリル尿素・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリンを指定しています。

 

濫用のおそれのある医薬品を販売する際は、以下の3つを守らなければなりません。

①購入者が子供(中高生など)である場合には、氏名・年齢・使用状況を確認すること。

②購入者が同じ医薬品を他店で買っていないか、既に所持していないかを確認すること。

③原則1人1包装。複数の購入希望がある場合は、理由・使用状況を確認すること。

 

 

1.「〇」製品Dは、ジヒドロコデインが含有されているため、濫用のおそれのある医薬品に分類されます。

 

2.「×」設問より製品Dは、指定第2類なので、特定販売(インターネット販売)ができます。

特定販売(インターネット販売)ができないのは、要指導医薬品です。

 

3.「×」販売者が、薬剤師に限られるのは、要指導医薬品・第一類医薬品です。

そのため、製品Dは、指定第2類なので登録販売者の方も販売可能です。

 

4.「〇」製品Dは、ジヒドロコデインが含有されているため、濫用のおそれのある医薬品に分類されるため、販売は原則として1人1包装単位です。

 

5.「×」使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要はありません。

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