問182
BCS(Biopharmaceutics classification system)分類とは、薬物を溶解性と膜透過性に基づいて4つに分類したものである。
溶解性は低いが膜透過性が高いClass2の薬物Xを含有する経口固形製剤Aについて、以下のデータが得られている。
製剤Aにおける吸収改善の機構と最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。
ただし、薬物Xとしての経口投与量は同一とする。
182
1.塩の形成
2.無水物化
3.共結晶化
4.溶媒和物
5.固体分散体
問182の解説
BCS (Biopharmaceutics Classification System)分類とは、医薬品の水溶性と小腸粘膜透過性に着目して、以下のように医薬品を分類しています。
BCS (Biopharmaceutics Classification System)分類
薬物Xは、溶解性が低く、膜透過性が高いClass2。
製剤からの薬物溶出の図から、薬物Xを製剤Aとすることで、溶解性が改善されたことが読みとれる。
経口投与後の血中薬物濃度の時間推移の図から、薬物Xを製剤Aとすることで、溶解性が改善されたことにより、吸収も改善されたことも読みとれる。
粉末X線回折測定の結果の図から、製剤Aは非晶質、薬物Xは結晶質。
1.「×」
2.「×」
3.「×」共結晶化: 2種以上の化合物からなる複合結晶のこと。
4.「×」溶媒和物
固体種類
5.「〇」難溶性薬物を非晶質化することで、溶解性が改善されます。
難溶性薬物の非晶質化の方法の1つに固体分散体(薬物を非晶質化して、水溶性高分子中に分散させることで溶出しやすくなる)があります。
2023.11.8時点の記事