問152(薬理)
末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。
2.スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。
3.ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。
4.ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。
5.A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。
問152の解説
1.「×」スキサメトニウム(レラキシンⓇ)は、神経筋接合部のNM受容体に作用し、筋終板の持続的な脱分極をおこします。そのため、アセチルコリンの感受性が低下し、一過性に骨格筋は興奮しますが、その後、弛緩します。
2.「〇」スガマデクス(ブリディオンⓇ)は、ロクロニウム(エスラックスⓇ)と包接体を形成します。そのため、神経筋接合部での、ロクロニウム(筋弛緩薬)が減少するので、筋弛緩を回復させます。
3.「×」ネオスチグミン(ワゴスチグミンⓇ)は、コリンエステラーゼ阻害薬なので、ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで減弱されます。
4.「〇」ダントロレン(ダントリウムⓇ)は、筋小胞体からCa2+の遊離を抑制することにより、骨格筋を弛緩させます。
5.「×」ボツリヌス毒素(ボトックスⓇ)は、神経終末からのアセチルコリンの放出を抑制するので、神経と筋肉の伝達が阻害され、筋弛緩作用を示します。
骨格筋弛緩薬の作用機序 | 薬物名 |
ACh遊離抑制 | ボツリヌス毒素 |
N M受容体拮抗薬 | ロクロニウム・ベクロニウム |
N M受容体持続的脱分極 | スキサメトニウム |
筋小胞体のCa2+遊離抑制 | ダントロレン |
神経筋接合部
問152の解答:2と4
2024.4.26時点の記事