第109回 薬剤師国家試験問題 問152(筋弛緩薬作用機序) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第109回 薬剤師国家試験問題 問152(筋弛緩薬作用機序)

薬理
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問152(薬理)

末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1.スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。

 

2.スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。

 

3.ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。

 

4.ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。

 

5.A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。

 

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問152の解説

1.「×」スキサメトニウム(レラキシン)は、神経筋接合部のNM受容体に作用し、筋終板の持続的な脱分極をおこします。そのため、アセチルコリンの感受性が低下し、一過性に骨格筋は興奮しますが、その後、弛緩します。

 

 

2.「〇」スガマデクス(ブリディオン)は、ロクロニウム(エスラックス)と包接体を形成します。そのため、神経筋接合部での、ロクロニウム(筋弛緩薬)が減少するので、筋弛緩を回復させます。

 

 

3.「×」ネオスチグミン(ワゴスチグミン)は、コリンエステラーゼ阻害薬なので、ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで減弱されます。

 

 

4.「〇」ダントロレン(ダントリウム)は、筋小胞体からCa2+の遊離を抑制することにより、骨格筋を弛緩させます。

 

 

5.「×」ボツリヌス毒素(ボトックス)は、神経終末からのアセチルコリンの放出を抑制するので、神経と筋肉の伝達が阻害され、筋弛緩作用を示します。

 

骨格筋弛緩薬の作用機序 薬物名
ACh遊離抑制 ボツリヌス毒素
N M受容体拮抗薬 ロクロニウム・ベクロニウム
N M受容体持続的脱分極 スキサメトニウム
筋小胞体のCa2+遊離抑制 ダントロレン

 

神経筋接合部
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