問328
75歳女性。 1年前に軽度認知障害と診断されたが、日常生活に大きな問題はなかった。
最近、少し家事を行っただけで疲れを感じるようになったので、健康相談のために薬局を訪れた。
薬剤師は、Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)を用いて身体的フレイルの評価を実施し、地域包括支援センターと連携することにした。
評価項目として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1.声量低下
2.認知機能低下
3.睡眠時間の短縮
4.体重減少
5.歩行速度の低下
問328の解説
日本版CHS基準:身体的フレイル診断基準
フレイルとは、要介護状態の前段階を意味します。(健康な状態と要介護状態の間)
項目 | 評価基準 |
体重減少 | 6カ月で、(意図しない)2kg以上の体重減少 |
筋力低下 | 握力:男性 < 28kg・女性 < 18kg |
疲労感 | (最近2週間)わけもなく疲れたような感じがする |
歩行速度 | 通常歩行速度 < 1.0m/秒
(歩行速度が1.0m/秒あれば、横断歩道を青信号の間に渡りきれるぐらい) |
身体活動 | ①軽い運動・体操
②定期的な運動 上記の2つとも、週に1回も行っていない |
5項目のうち、3つ以上該当:フレイル・1~2つ該当:フレイル前段階・該当なし:健康
1.「×」高齢になると声量が低下することもありますが、耳が遠くなり声が大きくなることもあるため、CHS基準には入っていません。
2.「×」高齢になると認知機能が低下しますが、身体的フレイルとは関係ありません。
3.「×」高齢になると睡眠時間は短縮しますが、身体的フレイルとは関係ありません。
4.「〇」高齢になると筋力が落ちてくるので、タンパク質をしっかり摂り適正体重を維持できているかで、フレイルとなっていないか推測します。(※中年はメタボ予防のため食事を控え、高齢者は、筋力低下を防ぐためタンパクを意識的に摂りましょう)
5.「〇」高齢になると筋力が落ちてくるので、歩行速度からフレイルとなっていないか推測します。
2023.10.7時点の記事