第55回 社会保険労務士試験 健康保険法【問2】 | リベラルアーツ!! 健康・社会保険・労働に関すること

第55回 社会保険労務士試験 健康保険法【問2】

第55回 社会保険労務士試験
この記事は約5分で読めます。
Pocket

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

A.夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について、夫婦の一方が被用者保険の被保険者で、もう一方が国民健康保険の被保険者の場合には、被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。

 

 

B.高額療養費は公的医療保険による医療費だけを算定の対象にするのではなく、食事療養標準負担額、生活療養標準負担額又は保険外併用療養に係る自己負担分についても算定の対象とされている。

 

 

C.X事業所では、新たに在宅勤務手当を設けることとしたが、当該手当は実費弁償分であることが明確にされている部分とそれ以外の部分があるものとなった。この場合には、当該実費弁償分については「報酬等」に含める必要はなく、それ以外の部分は「報酬等」に含まれる。また、当該手当について、月々の実費弁償分の算定に伴い実費弁償分以外の部分の金額に変動があったとしても、固定的賃金の変動に該当しないことから、随時改定の対象にはならない。

 

 

D.日雇特例被保険者の被扶養者が出産したときは、日雇特例被保険者に対し、家族出産育児一時金が支給されるが、日雇特例被保険者が家族出産育児一時金の支給を受けるには、出産の日の属する月の前2か月間に通算して26日分以上又は当該月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料が、その日雇特例被保険者について、納付されていなければならない。

 

 

E.特例退職被保険者が、特例退職被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、特定健康保険組合に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したときは、その日の翌日からその資格を喪失する。

 

スポンサーリンク
健康保険法【問2】の解説

A.「〇」夫婦共同扶養の被扶養者の認定

[Ⅰ]夫婦とも被用者保険の被保険者の場合

①被保険者の年間収入が多い方の被扶養者とします。

②夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とします。

 

[Ⅱ]夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合

③被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を生計を維持する者とします。

 

 

B.「×」高額療養費の算定に含まれない一部負担金額には、以下のものがあります。

①自由診療

②食事療養標準負担額

③生活療養標準負担額

④保険外併用療養費の自己負担分

 

 

C.「〇」在宅勤務・テレワークの導入に伴い、新たに実費弁償に当たらない在宅勤務手当が支払われることとなった場合は、固定的賃金の変動に該当し、随時改定の対象となります。

 

1つの手当において、実費弁償分であることが明確にされている部分とそれ以外の部分がある場合には、当該実費弁償分については「報酬等」に含める必要はなく、それ以外の部分は「報酬等」に含まれる。この場合、月々の実費弁償分の算定に伴い実費弁償以外の部分の金額に変動があったとしても、固定的賃金の変動に該当しないことから、随時改定の対象とはなりません。

 

 

随時改定:以下の3要件を全て満たすときに行います。

①昇給・降給などにより、固定的賃金に変動があったとき。

②固定的賃金の変動月以後、継続した3カ月間の報酬支払基礎日数が全て17日以上。

③3カ月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額の標準報酬月額と、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じていること。

 

 

D.「〇」日雇特例被保険者に係る保険給付(特別療養費・出産育児一時金・出産手当金を除く)は、給付事由が発生した日の属する月の前2カ月間に通算して26日分以上または、前6カ月間に通算して78日分以上の保険料が納付されているときに行われます。

 

出産育児一時金・出産手当金は、出産の日の属する月の前4カ月間に通算して26日分以上の保険料が納付されているときに行われます。

 

 

E.「〇」特例退職被保険者の資格を喪失する方法の1つとして、被保険者本人が脱退を希望し、資格喪失申出書を、特定健康保険組合に提出し、受理された日の翌月1日に資格を喪失する方法があります。

 

特例退職被保険者制度とは、特定健康保険組合の被保険者であった者が、退職後、老齢厚生年金の受給開始年齢から、後期高齢者医療制度の対象となる75歳未満までの間、所定の加入条件を全て満たしていれば、在職中と同程度の保険給付(傷病手当金・出産手当金を除く)・健診などを受けることができる制度のことです。

健康保険法【問2】の解答:B
参考資料
2023.10.17時点の記事
PAGE TOP