第110回 薬剤師国家試験問題 問326(免疫抑制薬) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第110回 薬剤師国家試験問題 問326(免疫抑制薬)

実務
この記事は約3分で読めます。
問326(実務)

40歳男性。身長172cm、体重70kg。今回、生体腎移植を受けるために入院した。

移植後の拒絶反応予防のために、以下の処方が開始された。

 

(処方1)

タクロリムス水和物徐放性カプセル5mg   1回2カプセル(1日2カプセル)

1日1回  朝食後  7日分

 

(処方2)

ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg   1回4カプセル(1日8カプセル)

1日2回  朝夕食後  7日分

 

(処方3)

メチルプレドニゾロン錠4mg   朝6錠、昼2錠(1日8錠)

1日2回  朝昼食後  7日分

 

服薬開始後10日目の服薬指導時、薬剤師に下痢の訴えがあった。

訴えに対する薬剤師の薬学的管理事項として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

1.口の渇き、尿量の変化を確認

 

2.ミコフェノール酸モフェチルの血中濃度測定依頼を提案

 

3.メチルプレドニゾロン錠の中止を提案

 

4.症状軽減のために半夏瀉心湯エキス顆粒の処方提案

 

5.感染症確認のために便培養依頼を提案

 

スポンサーリンク

問326の解説

タクロリムス(グラセプター):カルシニューリン(免疫亢進に重要な酵素)を阻害することにより、サイトカイン産生抑制や免疫抑制作用を示します

 

1.「〇」下痢によって、脱水や電解質異常が起こる可能性があるため、口の渇き、尿量変化を確認することは適切です

 

 

2.「〇」ミコフェノール酸 モフェチル(セルセプト)は、リンパ球の増殖を抑制する薬剤ですが、副作用として、下痢があるため、血中濃度の測定依頼を提案するのは適切です

 

 

3.「×」メチルプレドニゾロン(メドロール)は、ステロイドのため、移植後の拒絶反応予防のために必要

 

 

4.「〇」半夏瀉心湯は、下痢症状を改善する効果が期待できるため、症状軽減のために処方提案するのは適切です

 

 

5.「〇」免疫抑制下では、感染性腸炎による下痢の可能性もあるため、感染の鑑別目的で便培養依頼の提案を行うのは適切です

2025.11.10時点の記事
PAGE TOP