問300・301(病態/実務)
55歳女性。45歳時に気管支ぜん息と診断されたことをきっかけに節煙した。
しかし、仕事によるストレスで喫煙の回数と飲酒量がここ最近増えている。
3年前から、ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤を使用していたが、効果不十分のため、半年前からは処方1の薬剤を使用している。
その他の併用薬と副作用歴はない。
(処方1)
テリルジー100エリプタ 30吸入用(注) 1個
1回1吸入 1日1回 朝吸入
注:1吸入でフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg、ウメクリジニウムとして62.5μg及びビランテロールとして25μgを吸入できるドライパウダー吸入剤
今回もこの患者が処方1の処方箋を持って保険薬局に来局した。
薬剤師が患者にインタビューしたところ、次の回答を得た。
患者:「きちんと吸入していますが、最近、咳が出て調子が悪いです。特に、花粉の飛散時期は咳が出やすいです。ピークフローメータをあまり使っていなかったので、もう一度、使い方と意義について教えてほしいです。」
問300(病態・薬物治療)
処方1の薬剤について特に注意すべき副作用はどれか。2つ選べ。
1.高カリウム血症
2.低血糖
3.間質性肺炎
4.動悸
5.口腔カンジダ症
問300の解説
ウメクリジニウム:抗コリン薬の主な副作用として、口渇・便秘・排尿困難があります。
1.「×」
2.「×」
3.「×」
4.「〇」ビランテロール:β2作動薬の主な副作用として、動悸・振戦があります。
5.「〇」フルチカゾン:ステロイドの主な副作用として、口腔カンジダ症、嗄声があります。
問300の解答:4と5
問301(実務)
患者に対する薬剤師の説明内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。
1.ピークフローメータは深呼吸をしてから口に加え、毎回同じ姿勢で測定する。
2.ピークフロー値は1秒量とよく相関し、ぜん息の状態を把握する指標となる。
3.ピークフローメータは息がもれないように吹き口を唇で覆い、できるだけすばやく一気に吹く。
4.ピークフロー値は一度に少なくとも3回測定し、最も低い値を記録する。
5.ピークフロー値の日内変動が大きい場合は、気道過敏性が亢進していると考えられる。
問301の解説
1.「〇」
2.「〇」1秒量:最初の1秒間に吐き出された空気の量を示します
3.「〇」
4.「×」ピークフロー値は一度に少なくとも3回測定し、最も高い値(最大値)を記録します。
5.「〇」
問301の解答:4
