問246・247(薬理/実務)
30歳男性。以下の処方1~3が記載された処方箋を持って薬局を訪れた。
この薬局では、1名の薬学生が実習中であった。
(処方1)
リスペリドン錠1mg 1回1錠(1日3錠)
スルピリド錠100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分
(処方2)
ハロペリドール細粒1% 1回0.6g(1日0.6g)
1日1回 朝食後 14日分
(処方3)
ラメルテオン錠8mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前 14日分
問246(薬理)
処方1~3のいずれかの薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.ドパミンD2受容体に部分アゴニストとして作用することで、ドパミン神経系を安定化させる。
2.ヒスタミンH1受容体及びアドレナリンα1受容体を刺激することで、統合失調症の陰性症状を改善する。
3.ドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。
4.γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、睡眠を誘発する。
5.メラトニンMT1及びMT2受容体を刺激することで、睡眠-覚醒リズムを正常化する。
問246の解説
1.「×」
2.「×」
3.「〇」リスペリドン(リスパダールⓇ):5-HT2受容体・D2受容体遮断薬(SDA)
スルピリド(ドグマチールⓇ):D2受容体遮断薬
ハロペリドール(セレネースⓇ):D2受容体遮断薬
4.「×」
5.「〇」ラメルテオン(ロゼレムⓇ):メラトニン受容体刺激薬
問246の解答:3と5
問247(実務)
指導薬剤師は、実務実習生に下表の換算値を用いて経口抗精神病薬のクロルプロマジン換算量を算出する課題を出した。
この患者の1日分のクロルプロマジン換算量はどれか。1つ選べ。
(経口抗精神病薬の等価換算表)
薬物 | 経口クロルプロマジン100mgに相当する換算値 |
クロルプロマジン | 100 |
スルピリド | 200 |
ハロペリドール | 2 |
リスペリドン | 1 |
1.300mg
2.480mg
3.660mg
4.750mg
5.900mg
問247の解説
1.「×」
2.「×」
3.「×」
4.「〇」設問より、リスペリドンの1日量は、3mg
クロルプロマジン換算値(CP換算値)は、経口抗精神病薬の等価換算表より、
クロルプロマジン100mgと、リスペリドン1mgが等価なので、300mg
設問より、スルピリドの1日量は、300mg
クロルプロマジン換算値(CP換算値)は、経口抗精神病薬の等価換算表より、
クロルプロマジン100mgと、スルピリド200mgが等価なので、150mg
設問より、ハロペリドール細粒1% の1日量は0.6gなので、6mg(力価)
クロルプロマジン換算値(CP換算値)は、経口抗精神病薬の等価換算表より、
クロルプロマジン100mgと、ハロペリドール2mgが等価なので、300mg
合計で、750mg
5.「×」
問247の解答:4