問38(薬理)
LDL受容体に対するプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)の結合を阻害する脂質異常症治療薬はどれか。1つ選べ。
1.コレスチミド
2.エゼチミブ
3.ロミタピド
4.エボロクマブ
5.ロスバスタチン
問38の解説
1.「×」コレスチミド(コレバイン®):陰イオン交換樹脂(胆汁酸排泄促進薬)
コレバインは消化管で胆汁酸(コレステロールから産生される)を吸着し、排泄を促進させることにより、胆汁酸の腸肝循環を阻害し、肝臓におけるコレステロールから胆汁酸への合成を促進させます。
2.「×」エゼチミブ(ゼチーア®):小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
3.「×」ロミタピド(ジャクスタピッド®)は、血中LDLコレステロールを増やすMTP(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質)阻害することで、LDLコレステロールを低下させます。
4.「〇」エボロクマブ(レパーサ®):抗PCSK9モノクローナル抗体
PCSK9:LDL受容体分解促進タンパク質
肝細胞にあるLDL受容体とPCSK9が結合すると、LDL受容体が肝細胞内に取込まれ、LDL受容体が分解される。そのため、肝細胞のLDL受容体数が減り、血中のLDLコレステロールが増加する。
エボロクマブは、PCSK9と結合することで、PCSK9とLDL受容体の結合を阻害するため、肝細胞のLDL受容体が保たれ、血中LDLコレステロールが、肝細胞内へ取込まれるので、血中LDLコレステロールを低下させる作用がある。
5.「×」ロスバスタチン(クレストール®):HMG-CoA還元酵素阻害薬
問38の解答:4
2023.9.16時点の記事