第108回 薬剤師国家試験問題 問328(身体的フレイル評価) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第108回 薬剤師国家試験問題 問328(身体的フレイル評価)

実務
この記事は約3分で読めます。
Pocket

75歳女性。 1年前に軽度認知障害と診断されたが、日常生活に大きな問題はなかった。

最近、少し家事を行っただけで疲れを感じるようになったので、健康相談のために薬局を訪れた。

 

薬剤師は、Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)を用いて身体的フレイルの評価を実施し、地域包括支援センターと連携することにした。

評価項目として、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1.声量低下

 

2.認知機能低下

 

3.睡眠時間の短縮

 

4.体重減少

 

5.歩行速度の低下

 

スポンサーリンク
問328の解説

日本版CHS基準:身体的フレイル診断基準

フレイルとは、要介護状態の前段階を意味します。(健康な状態と要介護状態の間)

項目 評価基準
体重減少 6カ月で、(意図しない)2kg以上の体重減少
筋力低下 握力:男性 < 28kg・女性 < 18kg
疲労感 (最近2週間)わけもなく疲れたような感じがする
歩行速度 通常歩行速度 < 1.0m/秒

(歩行速度が1.0m/秒あれば、横断歩道を青信号の間に渡りきれるぐらい)

身体活動 ①軽い運動・体操

②定期的な運動

上記の2つとも、週に1回も行っていない

5項目のうち、3つ以上該当:フレイル・1~2つ該当:フレイル前段階・該当なし:健康

 

 

 

1.「×」高齢になると声量が低下することもありますが、耳が遠くなり声が大きくなることもあるため、CHS基準には入っていません。

 

 

2.「×」高齢になると認知機能が低下しますが、身体的フレイルとは関係ありません。

 

 

3.「×」高齢になると睡眠時間は短縮しますが、身体的フレイルとは関係ありません。

 

 

4.「〇」高齢になると筋力が落ちてくるので、タンパク質をしっかり摂り適正体重を維持できているかで、フレイルとなっていないか推測します。(※中年はメタボ予防のため食事を控え、高齢者は、筋力低下を防ぐためタンパクを意識的に摂りましょう)

 

 

5.「〇」高齢になると筋力が落ちてくるので、歩行速度からフレイルとなっていないか推測します。

2023.10.7時点の記事
PAGE TOP