問169
血漿タンパク質と、血漿タンパク質と薬物の結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、共有結合である。
2.血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがγ-グロブリンである。
3.血漿タンパク質のうち、α1-酸性糖タンパク質は多くの酸性薬物と結合する。
4.血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。
5.併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加する。
問169の解説
1.「×」血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、非共有結合(水素結合・イオン結合・ファンデルワールス力)である
2.「×」血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがアルブミン(約60%)である。
血漿タンパク質には、アルブミン・抗体(グロブリン)・フィブリノゲン・α1-酸性糖タンパク質などがあります。
3.「×」α1-酸性糖タンパク質は、塩基性薬物と結合します。
4.「〇」アルブミンは肝臓で産生されるので、肝硬変ではアルブミンの産生能が低下します。
従って、血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加します。
5.「〇」遊離型薬物が増えると、組織への移行量が増えるので、併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加します。
2023.10.26時点の記事