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高血圧症を予防・改善する方法

健康関連
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目 次
高血圧症とは、どんな病気?
高血圧症とは、血圧が高い状態のことをいいます。
収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上・拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の場合、

高血圧といわれます。

収縮期血圧:心臓が収縮して、血液を体中に送り出す時の血圧のこと。
拡張期血圧:心臓が拡張して、血液を体中に送り出す準備をしている時の血圧のこと。

高血圧症の原因
≪本態性高血圧症≫
原因が不明の高血圧症のことで、高血圧症の約90%を占める。生活習慣病が原因といわれており、

過剰な塩分摂取・肥満・ストレス・運動不足・喫煙・野菜不足などが挙げられる。
 
≪二次性高血圧症≫

腎動脈狭窄・原発性アルドステロン症・褐色細胞腫など血圧上昇の原因が判明している時を、
二次性高血圧症と呼びます。
高血圧症の症状
自覚症状はありません。
人の血圧は、朝起きる時に上昇しますが、その際、血圧が上昇していると感じる人は、
ほとんどいないと思います。血圧が上昇しても自覚症状がないといえる例といえます。
高血圧症の疑問①(家庭で血圧を測る時の注意点は?)
・朝に測定する場合(以下の①~④を守りましょう)
①朝起きて1時間以内
②トイレ(排尿後)を済ませた後
③食事・降圧薬を飲む前
④イスに座って、ゆっくりした後(1~2分間)血圧を測定

 

・就寝前に測定する場合
就寝前にイスに座って、ゆっくりした後(1~2分間)血圧を測定しましょう。
血圧の薬を飲んでいる方は、薬の効果を判断するために、
1日2回(朝・晩)測定するのが理想です。
家庭で血圧を測定する際は、毎回、同じ状態・方法で測定して記録をつけることが大切です。
高血圧症の疑問②(血圧が高いと何故ダメなの?)
血圧が高い状態が続くと、段々と血管の壁が厚く硬くなるので、動脈硬化が進んでしまいます。
動脈硬化が進むと、脳出血・脳梗塞・大動脈瘤・心筋梗塞・心肥大・腎硬化症・眼底出血などが
起こりやすくなります。
高血圧症の疑問③(血圧の1日の変動は?)
上記の図のように、血圧の1日の変動は、朝起きる時に上昇し、活動している日中は高い状態が続き、
夜は下がっていきます。
≪参考文献≫
MANFREDINI, Roberto; BOARI, Benedetta; PORTALUPPI, Francesco. Morning surge in blood pressure as a predictor of silent and clinical cerebrovascular disease in elderly hypertensives. Circulation, 2003, 108.10: e72-e73.
高血圧症の薬

・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

商品名 一般名
ニューロタン® ロサルタン
ブロプレス® カンデサルタン
ディオバン® バルサルタン
オルメテック® オルメサルタン
ミカルディス® テルミサルタン
アバプロ® イルベサルタン
イルベタン® イルベサルタン
アジルバ® アジルサルタン

・カルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)

世代 商品名 一般名
第一世代 アダラート® ニフェジピン
セパミット® ニフェジピン
ペルジピン® ニカルジピン
第二世代 ニバジール® ニルバジピン
バイミカード® ニソルジピン
バイロテンシン® ニトレンジピン
カルスロット® マニジピン
コニール® ベニジピン
ランデル® エホニジピン
アテレック® シルニジピン
第三世代 アムロジン® アムロジピン
ノルバスク® アムロジピン
カルブロック® アゼルニジピン

・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

商品名 一般名
カプトリル® カプトプリル
レニベース® エナラプリル
セタプリル® アラセプリル
アデカット® デラプリル
インヒベース® シラザプリル
ゼストリル® リシノプリル
ロンゲス® リシノプリル
チバセン® ベナゼプリル
タナトリル® イミダプリル
エースコール® テモカプリル
コバシル® ペリンドプリル

・配合剤(ARB + Ca拮抗薬)

商品名 一般名
レザルタス® オルメサルタン
アゼルニジピン
エックスフォージ® バルサルタン
アムロジピン
ユニシア® カンデサルタン
アムロジピン
ザクラス® アジルサルタン
アムロジピン
ミカムロ® テルミサルタン
アムロジピン
アイミクス® イルベサルタン
アムロジピン

・利尿薬

分類 商品名 一般名
サイアザイド フルイトラン® トリクロルメチアジド
ナトリックス® インダパミド
ループ ラシックス® フロセミド
カリウム保持性 アルダクトン® スピロノラクトン

・配合剤(ARB + 利尿薬)

商品名 一般名
プレミネント® ロサルタン
ヒドロクロロチアジド
エカード® カンデサルタン
ヒドロクロロチアジド
コディオ® バルサルタン
ヒドロクロロチアジド
ミコンビ® テルミサルタン
ヒドロクロロチアジド
イルトラ® イルベサルタン
トリクロルメチアジド

・レニン阻害薬

商品名 一般名
ラジレス®  アリスキレン

・アルドステロン拮抗薬

商品名 一般名
セララ®  エプレレノン

・配合剤(ARB + Ca拮抗薬 + 利尿薬)

商品名 一般名
ミカトリオ® テルミサルタン
アムロジピン
ヒドロクロロチアジド

医薬品を使用する場合は、使用する患者の年齢、症状、効果時間など
様々な要因で変わってきます。
自己判断せず専門家(医師、薬剤師など)に相談することをお奨め致します。

高血圧症を予防する・悪化を防ぐための食事・生活方法
減塩
食塩量は1日6g未満が推奨されている。
加工食品の栄養成分表示は、Na表示となっているため、Na量を2.54倍すると食塩相当量となる。
日本人の食塩摂取量の大半は、醤油・味噌を含む加工食品からの摂取といわれているため、減塩するには、出汁を効果的に使って調味料(醤油・味噌)を減らした調理をすることも、1つの方法といわれている。
適正体重の維持
肥満(特に内臓脂肪型肥満)は、血圧上昇と関連があるため、BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)]÷[身長(m)]で、25未満を目指して減量することが、血圧を下げるには大切です。
※BMIは22が理想的です。

アルコールの摂取制限
1回の飲酒では、血圧を下げるという報告はあるが、長期間の飲酒は血圧を上げる。
個人差はあるが、適切なアルコール量は、男性でアルコール20〜30mL(おおよそ日本酒 1合 or ビール中瓶 1本 or 焼酎半合弱 or ウイスキー・ブランデーダブル1杯 or ワイン 2杯弱に相当)/日以下、
女性はその約半分の10〜20mL/日以下といわれている。
適切な環境温度
寒さが血圧を上げるため、冬の時期は血圧が高くなる。冬の時期は、トイレ・浴室・脱衣所などの暖房を
忘れないようにする。

 

適切な入浴温度
入浴温度は、室温20℃以上・湯温40℃以下では血圧はほとんど上がらないとされている。38℃~42℃
くらいの湯温で5~10分くらいの入浴が目安といわれている。

便秘予防

便秘をした時の排便のいきみが、血圧を上昇させるため、便秘予防(食事・運動・緩下薬)をおこなう。
運動の推奨
個人の身体状態によって異なるが、有酸素運動(散歩など)やストレッチ運動を毎日30分以上行う。
有酸素運動やストレッチ運動は血圧低下だけでなく、体重・体脂肪・ウエストの減少・インスリン感受性・血清脂質の改善が示唆されている。
禁煙
喫煙をすると動脈硬化を促進するため、禁煙をすることで長期的な観点から血圧コントロールには
よいといえます。
≪参考資料≫
高血圧治療ガイドライン2014
高血圧症によいと言われている食品
・カリウム(K)を多く含んだ食品:野菜(ほうれん草・アボガド)・果物(バナナ・キウイ)
 カリウムには、体内の過剰な塩分を排出してくれる働きがあります。
 ただし、腎臓の機能が悪い方・妊娠中の方はカリウムの摂り過ぎはやめましょう。

 

・オメガ(ω)3脂肪酸(DHA・EPA)を多く含んだ食品:青魚(イワシ・サンマ・サバ)オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、動脈硬化を予防するといわれており、血管の柔軟性を保つため、血圧を下げることに繋がります。

 

・お茶(緑茶)お茶の成分の「カテキン」には、血圧を下げる働きがあるといわれています。「カテキン」は、お茶の中でも、緑茶に多く含まれます。
高血圧症を予防する・悪化させない生活方法の結論
①食塩の摂取量を1日6g未満にする。
②カリウム(K)を多く含んだ食品を摂る。
野菜(ほうれん草・アボガド)・果物(バナナ・キウイ)
③有酸素運動・ストレッチを、毎日30分以上行う。
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