67歳女性。身長163cm、体重62kg。
乳がんの術後化学療法としてペルツズマブ、トラスツズマブ、ドセタキセルによる化学療法を施行している。
外来日の検査値の結果を踏まえ、医師はペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)の投与を行った。
また患者は即時入院となった。
この患者に使用する抗菌薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
(検査値)
体温 38.1℃、好中球数 450/μL、eGFR 72.5mL/min/1.73m2
1.セフェピム
2.エリスロマイシン
3.メロペネム
4.ミノサイクリン
5.ダプトマイシン
問337の解説
ペルツズマブ(パージェタⓇ):抗HER2モノクローナル抗体
トラスツズマブ(ハーセプチンⓇ):抗HER2モノクローナル抗体
HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)
ドセタキセル(ワンタキソテールⓇ):微小管阻害薬
ペグフィルグラスチム(ジーラスタⓇ):G-CSF製剤(顆粒球コロニー形成刺激因子製剤)
設問より、化学療法を行い、体温が38.1℃で、好中球数が450/μLとあるため、発熱性好中球減少症を疑い、抗緑膿菌活性のある抗菌薬を選択します(好中球減少症:好中球数1,500/μL以下)
1.「〇」セフェピム(販売中止:マキシピームⓇ):第4世代セフェム系抗生物質
2.「×」エリスロマイシン(エリスロシンⓇ):マクロライド系抗生物質
3.「〇」メロペネム(メロペンⓇ):カルバペネム系抗生物質
4.「×」ミノサイクリン(ミノマイシンⓇ):テトラサイクリン系抗生物質
5.「×」ダプトマイシン(キュビシンⓇ):リポペプチド系抗生物質
グラム陽性細菌である、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に適応があります
問337の解答:1と3
