問117(生物)
抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。
2.最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。
3.クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。
4.すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。
5.クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。
問117の解説
1.「〇」ヘルパーT細胞が産生したサイトカインの影響により、B細胞が産生した抗体の可変部は変化させず(抗体の抗原特異性は保ったまま)、H鎖の定常部分のみが変化し、IgMから、IgG・IgA・IgEに変換されることを、クラススイッチといいます。
2.「〇」B細胞が最初に産生する抗体はIgMです。
3.「〇」クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)の定常部分に存在します。
4.「×」選択的スプライシング(mRNAの加工)の違いでIgMとIgDは産生されますが、IgG・IgA・IgEは、IgMからクラススイッチ(DNA組換え)によって産生されます。
5.「〇」クラススイッチは、ヘルパーT細胞が産生する、IL-4・IL5などにより制御されています。
問117の解答:4
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