52歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋を持ってかかりつけ薬局を訪れた。
(処方)
アファチニブマレイン酸塩錠40mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食の3時間後 14日分
薬歴の内容から以下の薬剤が3週毎に処方されていた。
(薬歴の内容)
ジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mg 1回5錠
必要時 1回分(5錠)
レボフロキサシン錠500mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 発熱時開始
ロキソプロフェンナトリウム錠60mg 1回1錠
38℃以上の発熱時 5回分(全5錠)
患者の今回の処方と薬歴情報から、薬物治療に対する評価と指導計画について適切なのはどれか。2つ選べ。
1.今回の処方薬は、化学療法施行後に開始された薬剤である。
2.血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。
3.下痢症状が出現しても自然に治まることを伝える。
4.発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。
5.服用忘れに気づいた日は、翌日の決められた時間に2回分を服用することを伝える。
問330の解説
アファチニブ(ジオトリフⓇ):EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害薬
ジフェンヒドラミン(レスタミンⓇ):H1受容体遮断薬
レボフロキサシン(クラビットⓇ):ニューキノロノン系抗菌薬
ロキソプロフェン(ロキソニンⓇ):非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
1.「〇」設問より、3週毎にジフェンヒドラミン・レボフロキサシン・ロキソプロフェンが処方されているとあるので、化学療法が行われた後の副作用対策薬と考え、アファチニブ(ジオトリフⓇ)は、化学療法施行後に開始された薬剤と考えます
2.「×」アファチニブ(ジオトリフⓇ)による、骨髄抑制は、ほとんど無いが、仮に、副作用で骨髄抑制がおこり、好中球が減少すると、発熱することは考えられます。(血小板減少による、発熱ではない)
3.「×」アファチニブ(ジオトリフⓇ)は、重度の下痢がおこりやすいため、脱水症状にならないよう、適切な止瀉薬(ロペラミド等)・補液をする必要があるため、医療従事者に相談するよう伝えます
4.「〇」EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害薬は、皮膚障害がおこりやすい薬剤のため、直射日光を避けたり、肌への刺激を抑制したり、保湿の対策をします。
5.「×」2回分を1度に服用することは、ありません
問330の解答:1と4

