第110回 薬剤師国家試験問題 問330(EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害薬) | 積小為大!!  健康・社会保険・労働に関すること

第110回 薬剤師国家試験問題 問330(EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害薬)

実務
この記事は約3分で読めます。
問330(実務)

52歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋を持ってかかりつけ薬局を訪れた。

 

(処方)

アファチニブマレイン酸塩錠40mg   1回1錠(1日1錠)

1日1回  朝食の3時間後  14日分

 

薬歴の内容から以下の薬剤が3週毎に処方されていた。

 

(薬歴の内容)

ジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mg   1回5錠

必要時   1回分(5錠)

 

レボフロキサシン錠500mg    1回1錠(1日1錠)

1日1回 朝食後  発熱時開始

 

ロキソプロフェンナトリウム錠60mg   1回1錠

38℃以上の発熱時 5回分(全5錠)

 

患者の今回の処方と薬歴情報から、薬物治療に対する評価と指導計画について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

1.今回の処方薬は、化学療法施行後に開始された薬剤である。

 

2.血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。

 

3.下痢症状が出現しても自然に治まることを伝える。

 

4.発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。

 

5.服用忘れに気づいた日は、翌日の決められた時間に2回分を服用することを伝える。

 

スポンサーリンク

問330の解説

アファチニブ(ジオトリフ):EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害薬

ジフェンヒドラミン(レスタミン):H1受容体遮断薬

レボフロキサシン(クラビット):ニューキノロノン系抗菌薬

ロキソプロフェン(ロキソニン):非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

 

1.「〇」設問より、3週毎にジフェンヒドラミン・レボフロキサシン・ロキソプロフェンが処方されているとあるので、化学療法が行われた後の副作用対策薬と考え、アファチニブ(ジオトリフ)は、化学療法施行後に開始された薬剤と考えます

 

 

2.「×」アファチニブ(ジオトリフ)による、骨髄抑制は、ほとんど無いが、仮に、副作用で骨髄抑制がおこり、好中球が減少すると、発熱することは考えられます。(血小板減少による、発熱ではない)

 

 

3.「×」アファチニブ(ジオトリフ)は、重度の下痢がおこりやすいため、脱水症状にならないよう、適切な止瀉薬(ロペラミド等)・補液をする必要があるため、医療従事者に相談するよう伝えます

 

 

4.「〇」EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害薬は、皮膚障害がおこりやすい薬剤のため、直射日光を避けたり、肌への刺激を抑制したり、保湿の対策をします。

 

 

5.「×」2回分を1度に服用することは、ありません

2025.11.16時点の記事
PAGE TOP