問195(病態)
薬物動態の変化に関連する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.心不全患者では、水溶性薬物の腎排泄速度が低下する。
2.肥満患者では、脂溶性薬物の分布容積が小さくなる。
3.小児では、水溶性薬物の体重当たりの分布容積が成人よりも大きい。
4.妊娠に伴って、糸球体ろ過速度が低下する。
5.血清アルブミン値低下患者では、薬物の分布容積が低下する。
問195の解説
1.「〇」心不全患者では、心拍出量が低下しているため、腎血流量が減少しています。
腎血流量が減少すると、糸球体ろ過量も低下するため、水溶性薬物の腎排泄速度は低下します。
2.「×」肥満患者では、脂肪量が多いため、組織に移行する脂溶性薬物の量が増えます。
そのため、分布容積は大きくなり、逆に、水溶性薬物の分布容積は、小さくなります。
3.「〇」体内水分比率は、加齢と供に減少していきます。
小児は、成人よりも体内水分比率が高いため、水溶性薬物の体重当たりの分布容積は大きくなります。
4.「×」妊娠中は、心拍数が増加し、循環血液量・腎血流量も増加します。
そのため、糸球体ろ過速度は、上昇します。
5.「×」アルブミン値が低下すると、アルブミンと結合する薬物は、遊離型が増えるため、分布容積は、増加します。
問195の解答:1と3
2025.8.19時点の記事