問190(病態)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.末梢気道病変と気腫性病変が複合的に関与して発症する。
2.中高年期より若年期での発症が多い。
3.病期分類には、対標準1秒量(%FEV1)を用いる。
4.気管支ぜん息を合併している場合には、副腎皮質ステロイド製剤の吸入よりも内服が推奨される。
5.インフルエンザワクチン接種は禁忌である。
問190の解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、長年の喫煙などにより、気管支に慢性の炎症が続き、肺胞壁が破壊され肺機能が低下しておこる疾患です。
1.「〇」慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、末梢気道病変(慢性気管支炎)と、気腫性病変(肺気腫:肺胞の破壊)が複合的に関与して発症します。
2.「×」慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、長期の喫煙習慣などが原因でおこるため、中高年以降に発症することが多いです。(※若年での発症は、α1-アンチトリプシン欠損症の場合などで稀)
3.「〇」慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病期分類では、%FEV1を用います。
(%FEV1(1秒率):息を一気に吐いたときの、最初の1秒間に、どれだけ息を吐き出せたかを示します)
(補足:気管支喘息では、β2刺激薬(気管支拡張薬)の吸入により、1秒量(FEV1)が改善しますが、COPDでは改善しません)
4.「×」気管支喘息を合併している、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の薬物治療では、吸入薬(ステロイド・β2作動薬・長時間作用型抗コリン薬)が、推奨されています。
5.「×」慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では、呼吸器感染症が重症化しやすいので、予防接種(インフルエンザ・肺炎球菌など)が推奨されています。
問190の解答:1と3
2025.8.3時点の記事