問167(薬理)
抗悪性腫瘍薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.オキサリプラチンは、がん細胞のDNA鎖内及び鎖間に架橋を形成して、DNAの複製及び転写を阻害する。
2.パクリタキセルは、微小管の重合を阻害して、紡錘糸の機能を抑制する。
3.イリノテカンは、体内で活性代謝物に変化し、トポイソメラーゼⅠ活性を阻害して、切断された一本鎖DNAの再結合を抑制する。
4.ニボルマブは、T細胞上のPD-1に結合し、PD-1とPD-L1及びPD-L2の結合を阻害して、T細胞の活性化を抑制する。
5.ラムシルマブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合し、EGFの作用を抑制して、腫瘍血管新生を抑制する。
問167の解説
1.「〇」オキサリプラチン(エルプラットⓇ):白金製剤
2.「×」パクリタキセル(タキソールⓇ):微小管阻害薬
パクリタキセルは、微小管の重合を促進して、紡錘体の機能を阻害します。
(※ビンクリスチン(オンコビンⓇ):微小管の重合を阻害して、紡錘体の機能を阻害)
3.「〇」イリノテカン(トポテシンⓇ):Ⅰ型DNAトポイソメラーゼ阻害薬
4.「×」ニボルマブ(オプジーボⓇ):抗PD-1抗体
PD:Programmed cell death protein
ニボルマブは、PD-1に結合して、がん細胞によるT細胞の抑制を阻害します。
5.「×」ラムシルマブ(サイラムザⓇ):抗VEGFR-2抗体
VEGFR-2 : Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-2
ラムシルマブは、VEGFR-2(血管内皮増殖因子受容体)に結合して、血管新生を阻害します
(※パニツムマブ(ベクティビックスⓇ):抗EGFR抗体)
問167の解答:1と3
2025.7.21時点の記事