問171(薬剤)
経口投与する薬物について、食事により量的バイオアベイラビリティは変わらないが、速度的バイオアベイラビリティが低下するのはどれか。2つ選べ。
1.アセトアミノフェン
2.セファクロル
3.リボフラビン
4.フェニトイン
5.インドメタシン ファルネシル
問171の解説
量的バイオアベイラビリティ:投与された薬物が、どれだけ血中に移行したかを示す指標(AUC)
速度的バイオアベイラビリティ:投与された薬物が、血中に移行する速度を示す指標(C max・tmax)
1.「〇」アセトアミノフェン(カロナールⓇ):解熱鎮痛剤
多くの薬物は、食事を摂取することにより、胃内容排出速度が遅くなり、小腸からの吸収が遅くなるため、C maxやtmaxが遅くなりますが、AUCはあまり変わりません。
2.「〇」セファクロル(ケフラールⓇ):セフェム系抗生物質
上記参照
3.「×」リボフラビン(ハイボンⓇ):ビタミンB2
リボフラビンは、小腸上部に存在する担体から能動輸送で吸収されるため、食事により、胃内容排出速度が低下すると、担体が飽和しにくくなるので、AUCが増大します。
4.「×」フェニトイン(アレビアチンⓇ・ヒダントールⓇ):抗てんかん薬
フェニトイン・インドメタシン ファルネシル・脂溶性ビタミン・イコサペント酸・シクロスポリンなどの脂溶性の高い薬物や水に難溶性の薬物は、食後、十二指腸に胆汁酸が分泌されると、ミセル化がおこり、薬物の溶解性が高まるため、AUCが増大します。
5.「×」インドメタシン ファルネシル(インフリーⓇ):NSAIDs
上記参照
問171の解答:1と2
2024.9.18時点の記事