問202-203
78歳男性。身長170cm、体重68kg。医療機関での治療は受けていない。
病院の近隣を歩いていた際に急な心臓発作を起こし救急搬送された。
搬送時の心電図はAであり、薬剤Xが投与された。
X投与の5分後にはBに示す正常な心電図となった。
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問202(実務)
この心電図変化をもたらした薬剤Xによる治療として最も考えられるのは次のうちどれか。1つ選べ。
1.一硝酸イソソルビド錠の舌下投与
2.硝酸イソソルビドスプレーの口腔内噴霧
3.アスピリン腸溶錠を噛みくだいて内服
4.アミオダロン塩酸塩速崩錠の内服
5.ジゴキシンエリキシルの内服
問202の解説
左図の心電図より、ST低下が見られます。
ST低下は、心肥大や狭心症(心臓への血液供給が不十分)で見られる所見です。
Xを投与後、5分で右図の心電図になっているので、
効果発現の早い狭心症発作治療薬を選択します。
1.「×」一硝酸イソソルビド(アイトロールⓇ):狭心症治療薬
アイトロールⓇは、舌下投与の適用はありません。
ニトロールⓇ錠(硝酸イソソルビド)は、舌下投与の適用があり、舌下投与すると投与後18.2分で最高血漿中濃度(Cmax)に達します。
2.「〇」硝酸イソソルビド(ニトロールⓇスプレー):狭心症発作の寛解薬
ニトロールⓇスプレーを口腔内噴霧すると、7.7分で最高血漿中濃度(Cmax)に達します。
3.「×」アスピリン(バイアスピリンⓇ):抗血小板薬
4.「×」アミオダロン(アンカロンⓇ):不整脈治療薬
5.「×」ジゴキシン:うっ血性心不全・心房細動(粗動)による頻脈治療薬
問202の解答:2
2024.1.11時点の記事