問260・261(薬理/実務)
59歳男性。1年前の勤務先の定期健康診断で眼圧高値を指摘され、専門医で精密検査を受けるよう勧められた。その後、市立病院眼科を受診したところ、原発性開放隅角緑内障と診断され、処方1の薬剤による治療を受けていた。しかし、眼圧低下効果が十分に得られないため、本日、新たに処方2が追加され来局した。
(処方1)
ラタノプロスト点眼液 0.005%(2.5 mL/本) 1本
1日1回 夕 両目に点眼
(処方2)
ブリモニジン酒石酸塩点眼液 0.1%(5 mL/本) 1本
1日2回 朝夕 両目に点眼
問260(実務)
点眼薬使用に関して、薬剤師がこの患者に指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1.処方2の薬剤により、めまいや低血圧が起こることがあるので注意する。
2.夕の点眼時には、処方1の薬剤と処方2の薬剤を5分以上空けて点眼する。
3.処方2の薬剤により、目の周りの皮膚が黒っぽくなる。
4.処方2の薬剤は、1回に2滴点眼した方がより効果的である。
5.処方2の薬剤は、点眼後すぐにまばたきを繰り返して薬剤を眼全体に広げる。
問260の解説
ラタノプロスト(キサラタンⓇ):プロスタグランジンF2α誘導体→ぶどう膜強膜(副経路)からの眼房水流出促進
ブリモニジン(アイファガンⓇ):アドレナリンα2受容体作動薬→眼房水産生抑制+ぶどう膜強膜(副経路)からの眼房水流出促進
1.「〇」処方2の薬剤は、α2受容体作動薬なので、めまいや低血圧が起こることがあります。
2.「〇」2種以上の点眼薬を連続使用する場合は、最初に点眼した薬が、次に点眼した薬によって、洗い流されてしまう可能性があるため、5分以上空けて点眼します。
3.「×」処方1のプロスタグランジン誘導体点眼薬の副作用として、色素沈着(メラニン増加)があります。
4.「×」点眼薬が入る結膜嚢の容積は、約30μLで、点眼薬1滴は、約30~50μLなので、1滴で十分です。
5.「×」点眼後すぐにまばたきをすると、点眼液が眼から流れ出たり、口腔内へ移行し、全身的な副作用が出てしまうことがあります。(眼から口腔までは、涙点→涙小管→涙のう→鼻涙管→鼻粘膜→口腔と繋がっています)
問260の解答:1と2
問261(薬理)
その後、ブリモニジンの追加によっても十分な効果が得られないため、ラタノプロスト及びブリモニジンのどちらとも作用機序の異なる薬物を含む薬剤を追加することとなった。追加できる薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.プロスタノイドFP受容体を刺激して、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出を促進する。
2.アドレナリンβ及びα1受容体を遮断して、毛様体上皮細胞による房水産生を抑制するとともに、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出を促進する。
3.アドレナリンα2受容体を刺激して、毛様体上皮細胞による房水産生を抑制する。
4.Rhoキナーゼを阻害して、線維柱帯細胞の細胞骨格を変化させることで、線維柱帯-シュレム管流出経路からの房水排出を促進する。
5.BKチャネル(大コンダクタンスCa2+依存性K+チャネル)を遮断して、線維柱帯-シュレム管流出経路からの房水排泄を促進する。
問261の解説
1.「×」ラタノプロスト(キサラタンⓇ)の作用機序です。
2.「〇」チモロール(チモプトールⓇ):β受容体遮断薬→眼房水産生抑制
ブナゾシン(デタントールⓇ):α1受容体遮断薬→ぶどう膜強膜(副経路)からの眼房水流出促進
3.「×」ブリモニジン(アイファガンⓇ)の作用機序です。
4.「〇」リパスジル(グラナテックⓇ):Rhoキナーゼ阻害薬→シュレム管(主経路)からの眼房水流出促進
5.「×」イソプロピル ウノプロストン(レスキュラⓇ):BKチャネル(大コンダクタンスCa2+依存性K+チャネル)を開口して、主経路+副経路からの眼房水流出促進
問261の解答:2と4