問250・251(薬理/実務)
33歳女性。身長158cm、体重52kg。夫と2人暮らし。
1年半前より朝の関節のこわばりや痛みを自覚し、1年前に関節の腫脹・疼痛が出現した。
近医でリウマトイド因子陽性の関節リウマチと診断され、治療が開始された。
処方1~3で治療継続中であったが、疾患活動性の上昇により7日前に入院した。
病棟カンファレンスで処方3が処方4へ変更されることになった。
(処方1)
メトトレキサートカプセル2mg 1回2カプセル(1日4カプセル)
毎週 土曜日 1日2回 朝夕食後 1 日分(投与実日数)
メトトレキサートカプセル2mg 1回1カプセル(1日1カプセル)
毎週 日曜日 1日1回 朝食後 1日分(投与実日数)
(処方2)
葉酸錠 5mg 1 回1錠(1日1錠)
毎週 月曜日 1日1回 朝食後 1日分(投与実日数)
(処方3)
アダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注(40 mg/1キット) 1キット
1回40 mg 2 週間に1回 皮下注射(自己注射)
(処方4)
トファシチニブクエン酸塩錠5mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 7日分
問250(実務)
病棟カンファレンスに参加した医療チームで情報共有する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
1.メトトレキサート服用により感染リスクが高まる。
2.トファシチニブ服用により出血傾向になる。
3.トファシチニブ服用により帯状疱疹が発生しやすくなる。
4.トファシチニブ投与中及び終了後少なくとも1月経周期は適切な避妊を行う。
5.トファシチニブはシトクロムP450で代謝されるため、他の薬剤との併用に注意する。
問250の解説
メトトレキサート(リウマトレックスⓇ):葉酸代謝拮抗薬
葉酸(フォリアミンⓇ)
アダリムマブ(ヒュミラⓇ):抗TNFα抗体
トファシチニブ(ゼルヤンツⓇ):ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬
1.「〇」メトトレキサートは、免疫抑制作用があるため、感染症のリスクが高まります。
2.「×」トファシチニブも、免疫抑制作用があるため、感染症のリスクが高まります。
3.「〇」トファシチニブは、免疫抑制作用があるため、帯状疱疹が発生しやすくなります。
4.「〇」妊娠の可能性がある女性に、トファシチニブを投与する場合、投与中および投与終了後、少なくとも1月経周期は、妊娠を避けるよう指導します。(動物実験で、催奇形性が報告されています)
5.「〇」トファシチニブは、シトクロムP450(CYP3A4・CYP2C19)で代謝されるため、他の薬剤との併用に注意します。
問250の解答:2
問251(薬理)
処方1~4のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.IL-6 受容体に結合することで、IL-6 により誘導される炎症反応を抑制する。
2.抗原提示細胞表面の CD80/CD86 に結合することで、CD28 を介した共刺激シグナルを抑制する。
3.ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで、リンパ球の活性化を阻害する。
4.カルシニューリンを阻害することで、ヘルパーT細胞におけるIL-2産生を抑制する。
5.ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することで、チミジル酸の合成を抑制する。
問251の解説
1.「×」トシリズマブ(アクテムラⓇ)・サリルマブ(ケブザラⓇ)の作用機序です。
2.「×」アバタセプト(オレンシアⓇ)の作用機序です。
3.「〇」トファシチニブ(ゼルヤンツⓇ)の作用機序です。
4.「×」タクロリムス(プログラフⓇ)の作用機序です。
5.「〇」メトトレキサート(リウマトレックスⓇ)の作用機序です。
問251の解答:3と5